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【2026年版】生成AIセキュリティ対策ツールおすすめ12選|シャドーAI検知・AI向けDLP・プロンプトインジェクション対策を比較

中央のチャット画面を囲む三重の保護レイヤーと、外側から入る通信を選別する検査ゲートを表した概念図

生成AIの社内利用を広げるほど、情報システム部門やDX推進の担当者には、従業員が個人アカウントで機密情報を入力していないか、自社で作ったAIアプリが悪意ある入力に乗っ取られないか、AIエージェントに与えた権限が広すぎないか、といった確認事項が増えていきます。こうした課題は一つのツールだけでは解決しにくく、守る対象ごとに製品の種類が分かれます。本記事は、2026年10月時点の公式情報をもとに整理しています。シャドーAI検知、AI向けDLP、AIゲートウェイ、プロンプトインジェクション対策、AIエージェントの統制、エンタープライズ版AIの管理機能を、用途別に12の製品・サービスで比べます。順位づけはせず、向いている企業と注意点を中立に並べます。

結論として、従業員の生成AI利用を守るなら「利用の可視化と制御(Zscaler、Microsoft Purview・Defender for Cloud Apps、i-FILTER)」と「入力データの保護(Nightfall など)」を先に組み合わせます。自社開発のAIアプリやエージェントを守るなら、「AIゲートウェイとガードレール(Cloudflare AI Gateway、Google Cloud Model Armor、Amazon Bedrock Guardrails)」「包括的な防御とレッドチーミング(Prisma AIRS、Cisco AI Defense、Promptfoo)」「エージェント統制(Zenity)」から、使っている基盤に合うものを選びます。料金は公式ページに金額がない製品が多いため、見積もり前に検知だけで足りるのか遮断まで行うのかを決めておきます。

生成AIセキュリティ対策ツールの6つの用途(シャドーAI検知、入力データ保護、AIゲートウェイ、攻撃防御と検証、エージェント統制、管理機能)を6枚のアイコンカードで並べた図
生成AIセキュリティ対策ツールは、上段左から「シャドーAI検知」「入力データ保護」「AIゲートウェイ」、下段左から「攻撃防御と検証」「エージェント統制」「管理機能」の6つの用途に分けて選びます。

情報の基準時点は2026年10月です。製品の機能名、対応範囲、料金体系は更新されやすいため、導入前に各社の公式ページで最新の内容を確認してください。


本記事のポイント

  1. 生成AIの防御は一つのツールで完結せず、利用の可視化、入力データ保護、AI基盤の防御、エージェント統制の層ごとに選びます。
  2. 従業員の利用管理にはシャドーAI検知とAI向けDLP、自社開発AIには入力検査とレッドチーミングと、守る対象で製品群が変わります。
  3. 料金は公式ページで非公開の製品が多いため、検知だけか遮断までか、監査ログの範囲はどこまでかを先に決めて見積もりを比べます。

生成AIセキュリティ対策ツールの選び方

「生成AIのセキュリティ対策」と一口に言っても、守る対象が違えば必要な製品は変わります。まず、次の4つの層のどこに課題があるかを切り分けると、比較する候補を絞りやすくなります。

守る対象を4つの層に分ける

  1. 従業員の生成AI利用:どのAIサービスが使われているか、個人アカウントで機密情報が入力されていないかを把握し、制御する層です。シャドーAI検知やAI向けDLPが該当します。
  2. 自社で開発・運用するAIアプリ:自社サービスや社内システムに組み込んだAIへの入力と出力を検査し、プロンプトインジェクションや機密情報の流出を抑える層です。AIゲートウェイやガードレールが該当します。
  3. AIエージェント:外部ツールやデータに接続して自律的に動くエージェントの権限、実行内容、監査ログを統制する層です。
  4. 採用済みのエンタープライズ版AI:ChatGPT、Claude、Geminiなどの法人向けプランが持つ管理機能と、外部ツールとの連携を確認する層です。

従業員の利用管理の考え方は、シャドーAI対策とは?禁止だけで終わらせない社内ルールと運用設計で、リスクの洗い出しはAIリスクアセスメントの進め方で整理しています。ツール選びの前に、どの業務でどのデータを扱うかを決めておくと、比較軸がぶれません。

比較する6つの軸

比較軸確認すること
守る対象従業員の利用、自社開発AI、エージェントのどれを主に守るか
検知の入口ブラウザー拡張、ネットワーク(プロキシ・SSE)、API経由のゲートウェイ、ログ連携のどれで見るか
制御の強さ可視化のみ、警告、マスキング、遮断のどこまでできるか
監査ログ入力・応答・実行内容を残せるか、既存のSIEMなどへ連携できるか
既存基盤との相性Microsoft 365、Google Cloud、AWS、Cloudflareなど、すでに使っている基盤と組み合わせやすいか
料金の公開状況金額が公開されているか、課金単位(利用者数、トークン数など)は何か

生成AIセキュリティ対策ツール12選の比較表

各製品の主な用途を一覧にしました。順位ではなく、守る対象ごとの並びです。

製品・サービス主な用途主な機能(公式ページより)料金の公開状況
ZscalerシャドーAI検知・利用制御AIアプリの利用状況の可視化、プロンプトの確認、DLP、利用可能なAIツールの制御公式ページに記載なし(要問い合わせ)
Microsoft Purview・Defender for Cloud AppsシャドーAI検知・AI利用の統制AI利用状況の把握(DSPM for AI)、ブラウザー経由のAIサイトへの機密情報の入力を警告・遮断するエンドポイントDLP、監査・保持ライセンス条件を公式で確認
デジタルアーツ i-FILTER(AIチャットフィルター)AI向けDLP・入力制御利用できる生成AIサービスの制限、入力内容の制御、入力・応答ログの可視化、注意喚起製品価格ページあり(金額は公式で確認)
NightfallAI向けDLP・入力マスキング送信前のプロンプト検査、機密部分のみの除去、ファイルアップロードの制御、クリップボード監視料金ページあり(金額は公式で確認)
Cloudflare AI GatewayAIゲートウェイ分析、ログ、キャッシュ、レート制限、ガードレール、DLPガードレール・DLPの料金は公式ページに記載なし
Google Cloud Model ArmorAIゲートウェイ・ガードレールプロンプトインジェクションとジェイルブレイクの検知、機密データの検出、悪意あるURLの検出トークン数ベース(料金は公式の料金ページで確認)
Amazon Bedrock Guardrailsガードレールコンテンツフィルター、拒否トピック、機密情報フィルター、任意のモデルに使えるApplyGuardrail APIAmazon Bedrockの料金ページで確認
Palo Alto Networks Prisma AIRS包括防御・レッドチーミングランタイム防御、AIレッドチーミング、モデルのスキャン、AIの状態管理、エージェント保護公式ページに記載なし(要問い合わせ)
Cisco AI Defense包括防御・レッドチーミングAIの可視化、モデル・アプリの検証(アルゴリズムによるレッドチーミング)、ランタイム防御公式ページに記載なし(デモ依頼)
Promptfooレッドチーミングオープンソースの攻撃テスト、プロンプトインジェクションや情報漏えいの検証、CI/CDへの組み込みEnterprise・料金ページあり(金額は公式で確認)
ZenityAIエージェントの統制エージェントの棚卸し、設定と権限のリスク評価、実行時の検知と遮断公式ページに記載なし(デモ依頼)
Claude Enterpriseエンタープライズ版AIの管理機能監査ログ、SCIM、データ保持の設定、Compliance API、顧客管理の暗号鍵1席あたり月額(年額請求)に加え、利用分はAPI料金で別途課金

2026年10月時点の公式情報をもとに整理しています。機能名や提供範囲は変更される場合があるため、導入判断の前に公式ページで最新の内容を確認してください。

シャドーAI検知・利用制御のツール

従業員がどの生成AIを使っているかを把握し、許可したサービスへ誘導するための層です。検知の入口(ネットワーク、ブラウザー、ログ)によって見える範囲が変わります。

Zscaler|AIアプリの利用状況の可視化と制御

Zscalerの公式ページでは、AIアプリの利用状況を利用者・部署・組織単位で確認するダッシュボード、管理者が確認できるプロンプトの可視化、生成AIとのやり取りを通じた機密データの持ち出しを抑えるDLP、利用してよいAIツールの定義と制御が紹介されています。ブラウザーの分離機能で、切り取り・貼り付け・ダウンロードを無効にする使い方も案内されています。Microsoft Copilotについては、OneDriveのデータとプロンプトの対応づけ、過剰な権限の取り消し、過剰共有の設定ミスの解消に触れています。

  • 向いている企業:ネットワークやWebアクセスの制御を一か所で行い、生成AIの利用ルールも同じ基盤に載せたい企業。
  • 注意点:ネットワーク側で検査する構成のため、導入範囲(端末、拠点、リモート勤務)を先に決める必要があります。
  • 料金:公式ページに料金の記載はなく、問い合わせ・デモ依頼の案内です。

Microsoft Purview・Defender for Cloud Apps|Microsoft 365中心の企業向けのAI利用の統制

Microsoft Learnの公式ドキュメントによると、Microsoft Purviewは、Microsoft 365 Copilotなどの生成AIアプリに対して、AI利用状況を把握するDSPM for AI、機密性ラベル、監査ログ、保持ポリシー、eDiscovery、コミュニケーションコンプライアンスといった機能を提供します。ブラウザー経由で使われるChatGPTやGoogle Geminiなどのサービスは、Defender for Cloud Appsのカタログで「生成AI」に分類されるものが検出対象です。Windows端末をPurviewに登録すると、エンドポイントDLPのポリシーで、サードパーティの生成AIサイトへの機密情報の貼り付けを警告または遮断できます。また、インサイダーリスク管理の「リスクのあるAI利用」テンプレートで、プロンプトインジェクション攻撃や保護された資料へのアクセスの検出が可能です。Defender for Cloud AppsのCloud Discoveryでは、利用中のクラウドアプリのリスクスコアを確認し、未承認に設定したアプリをブロック用のスクリプトで遮断する運用が案内されています。

  • 向いている企業:Microsoft 365やWindows端末を中心に運用し、すでにPurviewやDefenderを利用している企業。
  • 注意点:エンドポイントDLPの対象は、Purviewに登録したWindows端末です。Cloud Discoveryの詳細な分析は、対象URLを含むファイアウォールやプロキシのログに依存します。
  • 料金:必要なライセンスは契約形態で異なるため、Microsoftのサービス説明で確認してください。

AI向けDLP・入力制御のツール

プロンプトや添付ファイルに含まれる機密情報を、送信前や送信時に検査して警告・除去・遮断する層です。

デジタルアーツ i-FILTER|国産のWebセキュリティに組み込まれたAIチャットフィルター

デジタルアーツは2026年5月7日に、生成AIの「入力」「出力」「利用」を統合して制御できるようにしたと発表しました。i-FILTERとZ-FILTER(国産のSSEとIDaaSを組み合わせたサービス)を通じて提供するAIチャットフィルター関連機能で、生成AIに入力する機密情報の制御、不適切な応答の制御、利用できる生成AIサービスの制限、利用状況と入力・応答ログの可視化、利用時の注意喚起を行います。i-FILTER Ver.10のページでは、AIチャットフィルターとして、利用する生成AIの限定、入力内容の制御、入力・応答メッセージのログ取得、利用時の注意事項の表示が案内されています。

  • 向いている企業:すでにWebフィルタリングを国産製品で運用している企業、日本語の問い合わせ窓口を重視する企業。
  • 注意点:提供形態やオプションによって利用できる機能が異なるため、契約するエディションで対象機能を確認してください。
  • 料金:公式サイトに製品価格のページがあります。金額は公式で確認してください。

Nightfall|ブラウザー上で送信前のプロンプトを検査するAI向けDLP

Nightfallの公式ページでは、従業員がAIアプリに入力した内容を送信前に検査し、認証情報、個人情報、機密情報などを検出すると説明されています。プロンプト内の機密部分だけを除去するターゲットを絞ったリダクション、社内のSaaSから取得したファイルのAIアプリへのアップロード制御、macOSとWindowsでのクリップボード監視(監視または遮断)、従業員への注意喚起、Slack・Teams・Jira・メール・SIEMへのアラート連携が挙げられています。導入は主にブラウザープラグインで、Chrome EnterpriseやMDMで配布します。

  • 向いている企業:業務の大半がブラウザー上のSaaSで完結し、プロンプト単位で機密部分だけを除去する運用をしたい企業。
  • 注意点:主な検知の入口がブラウザーのため、ブラウザー外のアプリからの利用は別の対策と組み合わせて検討します。
  • 料金:公式サイトに料金ページがあります。金額は公式で確認してください。

AIゲートウェイ・ガードレールのツール

自社のアプリやシステムからAIモデルへ送るリクエストと、返ってくる応答の間に検査の層を置く製品です。自社開発のチャットボットや社内AIアプリを持つ企業が主な対象です。

Cloudflare AI Gateway|既存のCloudflare利用企業が運用しやすいゲートウェイ

Cloudflare AI Gatewayは、AIアプリの利用状況を観測・制御する仕組みで、リクエスト数・トークン数・コストの分析、ログ、キャッシュ、レート制限、リトライとフォールバックを備えます。ガードレール機能は、プロンプトと応答を検査して暴力やヘイトなどのカテゴリを監視し、検出時に記録または遮断します。DLP機能は、Cloudflareの検出プロファイルでプロンプトと応答を検査し、検出時は記録(Flag)または遮断(Block)できます。対象はリクエストと応答の本文テキストのみで、Base64でエンコードされた画像や添付ファイルは復号されず、外部URLの先も参照しません。ストリーミング応答は全体を保持してから検査するため、最初の文字が表示されるまでの時間が延びる点も公式ドキュメントに明記されています。

  • 向いている企業:Cloudflareをすでに使い、複数のモデル提供元への通信を一か所で観測・制御したい企業。
  • 注意点:対象は本文テキストのみで、Base64でエンコードされた画像や添付ファイルは復号されず、外部URLの先も参照しません。キャッシュが効いた応答はDLPの検査を通らないため、ポリシー変更の反映にはキャッシュの扱いを確認します。
  • 料金:AI Gatewayは全プランで利用できると案内されています。ガードレールとDLPの料金は、公式ページには記載がありません。

Google Cloud Model Armor|プロンプトと応答を検査するGoogle Cloudのサービス

Model Armorは、LLMへのプロンプトと応答をセキュリティと安全性の観点で検査するGoogle Cloudのサービスで、他のクラウド上のAIアプリにも使えると説明されています。プロンプトインジェクションとジェイルブレイクの検出、Sensitive Data Protectionによる機密データの検出と匿名化、悪意あるURLの検出(最初の256件まで)、ヘイトや嫌がらせなどのフィルター、PDFやOfficeファイル内のテキストの検査に対応します。運用モードには、検出のみ記録する「inspect only」と、検出して遮断する「inspect and block」があり、最初はinspect onlyで調整してから遮断に移す使い方が公式ドキュメントで案内されています。Gemini Enterprise、Apigee、Vertex AI、LangChainなどとの連携も掲載されています。

  • 向いている企業:Google CloudやVertex AIでAIアプリを開発・運用している企業。
  • 注意点:画像の検査はPreview(プレビュー提供)と記載されています。本番利用の前に、対応状況を公式で確認してください。
  • 料金:単体またはSecurity Command Centerの一部として提供され、トークン数に基づく課金です。単価は公式の料金ページで確認してください。

Amazon Bedrock Guardrails|AWS上のAIアプリ向けのガードレール

Amazon Bedrock Guardrailsは、生成AIアプリ向けの設定可能な安全対策です。有害なテキストと画像を検出するコンテンツフィルター(プロンプトインジェクションとジェイルブレイクへの対策を含む)、禁止トピックの定義、個人情報や正規表現で指定したパターンの遮断またはマスキングを行う機密情報フィルターを備えます。ApplyGuardrail APIを使えば、Amazon Bedrock上のモデルだけでなく、自社でホストしたモデルやOpenAI、Google Geminiなどのサードパーティモデルにも適用でき、基盤モデルを呼び出さずに内容だけを評価することもできます。

  • 向いている企業:AWS上で生成AIアプリを構築し、モデルを切り替えても同じ安全基準を適用したい企業。
  • 注意点:従業員のブラウザー利用を管理する製品ではなく、自社アプリに組み込む部品です。
  • 料金:公式ページに金額の記載はなく、Amazon Bedrockの料金ページが案内されています。

包括防御・レッドチーミングのツール

AIアプリの検出から、攻撃を想定したテスト、実行時の防御までを一つの製品や手順で扱う層です。プロンプトインジェクションの耐性を事前に確かめる使い方もここに入ります。

Palo Alto Networks Prisma AIRS|AIの検出・評価・防御を一つにまとめた製品

Prisma AIRSは、AIエージェント、アプリ、モデル、データを検出・評価・保護する、Palo Alto Networksのプラットフォームです。公式ページでは、実行中のAI通信でのプロンプトインジェクションの検出と遮断、機密データの流出の検出、悪意あるURLの検出、エージェントへの脅威への対応が挙げられています。構成要素として、AIレッドチーミング(マルチターンやマルチエージェントを含む)、サードパーティモデルを採用前にスキャンするAI Model Security、AIの状態管理、AI Runtime SecurityとAI Gatewayがあります。導入形態は、API InterceptとNetwork Interceptなどです。

  • 向いている企業:すでにPalo Alto Networksのネットワークセキュリティを利用し、AIの防御も同じベンダーにまとめたい企業。
  • 注意点:機能が広いため、最初に使う範囲(モデル、アプリ、エージェントのどれか)を決めてから導入すると、運用負荷を抑えやすくなります。
  • 料金:公式ページに料金の記載はなく、問い合わせが必要です。

Cisco AI Defense|ネットワークで強制する検証とランタイム防御

Cisco AI Defenseの公式ページでは、AIモデルと接続データソースを棚卸しするAI Cloud Visibility、従業員のサードパーティAIアプリの利用を監視・管理するAI Access、アルゴリズムによるレッドチーミングで安全性とセキュリティの脆弱性を見つけるAIモデル・アプリの検証、本番環境のAIアプリにガードレールを適用するAI Runtime Protectionが紹介されています。ランタイム防御で挙げられている検出には、プロンプトインジェクション、モデルのサービス妨害、コード検出、話題の逸脱、悪意あるURLがあります。強制はネットワークレベルで行うため、アプリ側へエージェントやライブラリを組み込む必要がないと説明されています。NIST、MITRE ATLAS、OWASP LLM Top 10への対応も案内されています。

  • 向いている企業:Ciscoのネットワーク・セキュリティ基盤を使い、アプリを改修せずに防御を追加したい企業。
  • 注意点:検証(レッドチーミング)と実行時防御は別の機能です。どちらを先に使うかを決めて評価してください。
  • 料金:公式ページに料金の記載はなく、デモ依頼またはExplorer Editionの案内です。

Promptfoo|開発のなかで攻撃テストを回すオープンソース

Promptfooは、LLMアプリの失敗パターンを「プラグイン」という攻撃テストに分けて実行する、オープンソースのレッドチーミングツールです。公式ドキュメントでは、プロンプトインジェクション、ジェイルブレイク、RAGの文脈からの個人情報の漏えい、有害なコンテンツ、エージェントが接続したAPIやデータベースの不正利用といったリスクを扱い、BOLA(オブジェクト単位の認可不備)やBFLA(機能単位の認可不備)などのプラグインが例示されています。アプリが変わるたびにCI/CDで攻撃テストを回し、回帰を検知する使い方が推奨されています。

  • 向いている企業:自社でAIアプリを開発し、リリースごとに耐性を確認したい開発チーム。
  • 注意点:実行時の遮断を行う製品ではなく、事前の検証を担います。本番の防御には、ゲートウェイやガードレールと組み合わせます。
  • 料金:公式サイトにEnterpriseと料金のページがあります。金額は公式で確認してください。

耐性テストの設計は、AIエージェントのプロンプトインジェクション耐性テストで、危険入力とツール誤呼び出しの検証方法として整理しています。ツールを選ぶ前に、何を検証したいかを決めておくと比較しやすくなります。

AIエージェントの統制ツール

AIエージェントは、メールやファイル、業務システムに接続して自律的に作業します。入力の検査だけでなく、どの権限で何を実行したかを残す仕組みが必要になります。

Zenity|エージェントの棚卸しから実行時の検知までを扱う専用プラットフォーム

Zenityは、SaaS上に組み込まれたエージェントと自社構築のエージェントを対象に、棚卸し(AI Observability)、設定と権限のリスク評価(AI Security Posture Management)、実行時の検知と対応(AI Detection & Response(AIDR))を提供すると説明しています。AIDRは、ユーザーのメッセージ、ツール呼び出し、検索、エージェント間の受け渡しといった一連の流れを読み、プロンプトインジェクション、データ持ち出し、権限の不正な変更、メモリの汚染、ツールの誤用などを検知します。検知結果は「Detected」または「Prevented」として記録され、リスクのある手順は実行中に遮断できます。Microsoftの機密性ラベルを基準にした機密ファイルへのアクセスの検知や、SIEM・SOAR・チケットシステムへのAPI連携も案内されています。

  • 向いている企業:SaaSに組み込まれたエージェントや、自社構築のエージェントを複数運用し始めた企業。
  • 注意点:エージェントの運用ルールが決まっていないと、検知結果を誰が判断するかが曖昧になります。
  • 料金:公式ページに料金の記載はなく、デモ依頼の案内です。

権限、監査ログ、承認フローの設計は、AIエージェント ガバナンスとは?で整理しています。製品を選ぶ前に、誰が何を承認するかを決めておくと、導入後の運用が止まりにくくなります。

エンタープライズ版AIの管理機能

すでにChatGPT、Claude、Geminiなどの法人向けプランを導入している場合は、追加ツールの前に、そのプランが持つ管理機能で足りる範囲を確認します。

Claude Enterprise|監査と保持の設定を備えた法人向けプラン

AnthropicのヘルプセンターではClaude Enterpriseの管理・セキュリティ機能として、ユーザー操作・システムイベント・データアクセスを記録する監査ログ、SCIM、カスタムのデータ保持設定、利用データやチャット履歴へプログラムでアクセスできるCompliance API、利用状況を集計するAnalytics API、顧客管理の暗号鍵、米国内のみで推論を行う設定、HIPAA対応の構成が紹介されています。Google Drive、Gmail、GitHub、Microsoft 365、Slackなどへのコネクターも利用できます。Microsoft Purviewの公式ドキュメントでは、Anthropic Claude(Enterprise)とChatGPT Enterpriseが、非Copilot系の「エンタープライズAIアプリ」として管理対象に挙げられています。

  • 向いている企業:法人向けのAI環境を整備し、監査ログと保持設定を自社のコンプライアンス運用に接続したい企業。
  • 注意点:SSO(SAML連携)とロール別の権限設定(Owner / Admin / User、Enterprise限定のカスタムロール)は、ヘルプセンターのID管理の記事で設定手順が案内されています。コネクターの接続先も、最小権限になっているか点検します。
  • 料金:1席あたりの月額を年額で請求し、利用分は標準のAPI料金で別途課金されます。組織・ユーザー単位で支出上限を設定できます。金額や条件は変更される場合があるため、公式で確認してください。

ChatGPT EnterpriseやGemini Enterpriseなど他社の法人向けプランも、同じ観点(監査ログ、保持設定、ID連携、データ利用条件)で公式資料を確認してください。利用量と予算の管理はChatGPT Enterpriseのコスト管理とは?が参考になります。Google Workspaceを使う企業のDLP設計は、Google WorkspaceでGemini利用をDLPでどこまで制御できるかで整理しています。

なお、AIを使って自社コードの脆弱性を検証するような、防御側でAIを活用する用途は本記事の対象外です。こちらはClaude Securityとは?とCodex Securityとは?で扱っています。

目的別の選び方フロー

課題から逆引きすると、候補は次のように絞れます。複数に当てはまる場合は、優先度の高い層から着手し、段階的に広げます。

  1. 従業員が個人アカウントでAIを使っていないか把握したい:まずシャドーAI検知(Zscaler、Microsoft Purview・Defender for Cloud Apps、i-FILTER)を比べます。利用中の基盤(ネットワーク、Microsoft 365、国産Webフィルタリング)に合うものが候補です。
  2. プロンプトや添付ファイルへの機密情報の入力を止めたい:AI向けDLP(Nightfall、i-FILTER、Microsoft PurviewのエンドポイントDLP)を比べます。警告、マスキング、遮断のどこまで必要かで絞ります。
  3. 自社のAIアプリの入出力を検査したい:利用中の基盤で選びます。Google CloudならModel Armor、AWSならBedrock Guardrails、Cloudflareを使っているならAI Gatewayが候補です。
  4. リリース前に攻撃への耐性を確かめたい:Promptfooのようなレッドチーミングを開発工程へ組み込み、ネットワーク全体の防御ならPrisma AIRSやCisco AI Defenseの検証機能も比べます。
  5. AIエージェントの権限と実行内容を統制したい:Zenityのような専用製品に加え、Prisma AIRSのエージェント保護も確認します。先にガバナンスの設計を済ませます。
  6. すでに法人向けAIを導入済み:Claude Enterpriseなどの管理機能(監査ログ、保持設定、ID連携)を点検し、足りない部分だけを追加ツールで補います。

導入時の注意

検知の入口によって見える範囲が違う

Cloudflare AI GatewayのDLPの対象はリクエストと応答の本文テキストのみで、Base64でエンコードされた画像や添付ファイルは復号されず、外部URLの先も参照しません。MicrosoftのエンドポイントDLPは、Purviewに登録したWindows端末のブラウザー経由の利用が対象です。Cloud Discoveryの詳細な分析は、対象URLを含むファイアウォールやプロキシのログが前提になります。製品の紹介ページの機能名だけで判断せず、自社の端末、ブラウザー、ネットワークの構成で実際に検査できる範囲を確認します。

最初は検知のみで始め、遮断は段階的に

Model Armorには、検出内容を記録するだけのinspect onlyと、検出したものを遮断するinspect and blockの2つの運用モードがあります。誤検知が多い状態でいきなり遮断すると、現場が代替手段を探して、かえってシャドーAIが増えるおそれがあります。最初は記録して傾向を見て、ルールを調整してから遮断へ移します。遮断する場合も、許可済みの代替ツールを用意します。

ログの扱いを先に決める

プロンプトや応答を記録すると、それ自体が機密情報の保管場所になります。保管場所、保持期間、閲覧できる担当者、従業員への周知を決めてから導入します。各製品のログの保持設定とアクセス制御も、比較表の項目に加えます。

ツールだけでは運用は完成しない

ツールが検知した結果を、誰がいつ判断し、どう現場へ返すかが決まっていないと、アラートが滞留します。利用ルール、例外申請の窓口、検知後の連絡経路を先に定めてください。評価の観点はAIリスクアセスメントの進め方が参考になります。

よくある質問

生成AIのセキュリティ対策ツールは、どのカテゴリから選べばよいですか?

守る対象で決めます。従業員の利用を管理したいならシャドーAI検知とAI向けDLP、自社開発のAIアプリならAIゲートウェイやガードレールとレッドチーミング、AIエージェントなら専用の統制製品、法人向けAIを導入済みならその管理機能の点検から始めます。複数に当てはまる場合は、機密情報が最も多く流れる層を優先します。

シャドーAIの検知とAI向けDLPは、どう使い分けますか?

シャドーAI検知は「どのAIサービスを誰が使っているか」を把握し、利用を許可・制限する仕組みです。AI向けDLPは、許可したサービスも含めて「何を入力しているか」を検査し、機密情報を警告・除去・遮断する仕組みです。ZscalerやMicrosoft、i-FILTERのように両方を備える製品もありますが、検知の入口と制御の細かさは製品ごとに異なります。

プロンプトインジェクション対策には、どのような製品や仕組みがありますか?

大きく、事前の検証と実行時の防御に分かれます。事前の検証にはPromptfooのレッドチーミングやCisco AI Defenseの検証機能があり、実行時の防御にはModel Armor、Amazon Bedrock Guardrails、Prisma AIRS、Cisco AI Defenseのランタイム防御などがあります。エージェントにはZenityのような実行内容を追跡する製品もあります。どの製品も、入力の検査だけでなく、エージェントに与える権限の最小化と組み合わせて運用します。

生成AIセキュリティ対策ツールの料金は、公開されていますか?

各社の公式ページでは、多くの製品が金額を掲載せず、問い合わせやデモ依頼を案内しています。Model Armorはトークン数に基づく課金、Claude Enterpriseは1席あたりの月額(年額請求)に利用分のAPI料金が加わる形で、金額は公式で確認します。見積もりを取る前に、対象の利用者数、AIアプリ数、検知のみか遮断までか、ログの保持期間を整理しておくと、比較しやすくなります。

ツールを入れれば、生成AIの情報漏えいは防げますか?

ツールは検査と記録を担いますが、それだけで防げるわけではありません。検査対象外のデータ形式や経路があり、運用ルール、例外申請、教育がなければ回避されるおそれがあります。ツール選びと並行して、禁止事項と許可範囲、代替手段、検知後の対応を決めてください。

エンタープライズ版の生成AIを使っていれば、別のツールは不要ですか?

必要な範囲は利用状況で変わります。監査ログや保持設定などの管理機能で足りる場合もありますが、従業員が別の個人アカウントや他のAIサービスを使う場合や、自社のAIアプリを開発している場合は、その部分を別のツールで補う必要があります。まず公式の管理機能の範囲を確認し、足りない部分を洗い出してください。

各社の公式情報

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