Google Cloud Marketplaceで導入できる国産の営業・マーケティングツール5選|用途と選び方
Google Cloud Marketplaceで営業・マーケティングに使うSaaSを探すと、CRM、商談解析、Web接客、レコメンド、店舗分析まで異なる製品が並びます。同じ「営業・マーケティング系」でも、解決する課題と扱うデータは大きく違います。国内企業が提供し、Google Cloud Marketplaceでの提供を各社が公表した製品を、用途別に比べます。
最初に「顧客情報と営業活動」「商談の振り返り」「Web上の顧客体験」「ECの推薦」「来店・人流分析」のどこを改善するかを決めてください。その後にMarketplace上の購入方法、既存システムとの連携、データの扱いを確認すると、製品名だけで選ぶ失敗を避けられます。
以下の5製品は、いずれも2026年9月15日以前に提供企業がGoogle Cloud Marketplaceでの掲載・提供を公表した例です。掲載形態や料金、利用条件は変わるため、契約時には各製品の掲載ページと販売元の最新情報を確認してください。Google Workspace Marketplaceのアドオンとは別のサービスです。
本記事のポイント
- 国産の掲載製品でも、CRM、商談解析、Web接客、EC推薦、店舗分析は代替関係ではない。改善したい業務から候補を絞る。
- Marketplaceへの掲載だけで、自社のGoogle Cloud請求への合算方法や既存契約の移行条件まで確定するわけではない。見積もりと契約条件を確認する。
- 導入判断では機能の多さより、入力元と出力先、担当者の運用、個人データの扱い、効果を測る指標を先にそろえる。
国産5製品を、改善したい業務で比較する
次の表は機能数の順位ではありません。各社の公式発表と製品説明から、主な用途を一つずつ整理したものです。複数製品を組み合わせる場合も、どの情報を正本として管理するかを決めると役割の重複を減らせます。
| 製品・提供会社 | 主な用途 | 最初に確認したい課題 |
|---|---|---|
| ファネルAi 株式会社ファネルAi | CRM/SFA/MA | 顧客情報、営業活動、マーケティング施策をつないで管理したい |
| ailead 株式会社ailead | 商談の記録・解析 | オンライン商談を振り返り、営業チームの改善につなげたい |
| KARTE 株式会社プレイド | Web・アプリの顧客体験 | 行動に応じた接客や施策改善を進めたい |
| Rtoaster 株式会社ブレインパッド | レコメンド・パーソナライズ | ECなどで顧客に合う商品や情報を提示したい |
| Beacon Bank 株式会社unerry | 人流・来店データ分析 | 店舗や地域での顧客行動を施策に生かしたい |
「営業ツール」を探していても、商談の記録を改善したい企業と、顧客情報の入力負担を減らしたい企業では候補が異なります。「マーケティングツール」でも、Web訪問者への接客、ECの商品推薦、実店舗の来店分析は必要なデータと評価指標が異なります。先に課題を一文にし、製品を比較する範囲を決めましょう。
製品ごとの強みと、導入前に見るべき点
ファネルAi:顧客情報と営業・マーケティング活動をつなぐ
ファネルAiは、Google Workspaceとの連携を前提に、顧客情報、営業活動、マーケティング施策を扱うCRM/SFA/MAです。Gmailなど日々の業務で生じる情報を営業活動に結び付けたい場合に候補になります。一方、既存CRMから移るなら、取引先・担当者・案件の項目、活動履歴の移行、権限と重複データの整理を先に確認する必要があります。製品のMarketplace掲載のお知らせでも提供開始が案内されています。
ailead:商談内容の振り返りを営業改善に使う
aileadはオンライン商談の記録・解析を扱う製品です。商談で何が話され、次の行動につながったかをチームで確認したい場合に向きます。導入前には、利用する会議ツールとの対応、録画・文字起こしの同意取得と保存期間、CRMへ残す項目、閲覧権限を確認します。商談解析だけで顧客台帳の正本になるとは限らないため、既存SFA・CRMとの役割分担も必要です。
KARTE:Webやアプリの行動を接客に生かす
KARTEは顧客の行動を捉え、Webやアプリでの体験改善を支えるCXプラットフォームです。サイト訪問者に何を案内するか、どの施策が行動につながるかを検討する場面に向きます。導入時は計測対象、イベント設計、同意管理、既存のアクセス解析やMAとのデータ連携を確認します。施策を増やす前に、改善したいページと成果指標を絞ることが重要です。
Rtoaster:ECなどの推薦・パーソナライズを担う
Rtoasterは顧客データを使ったレコメンドやパーソナライズに強みがあります。商品数が多いECなどで、顧客に合う商品や情報の提示を改善したい場合に検討できます。商品マスターの品質、在庫・価格更新、推薦を出す場所、効果検証の方法を事前に確認してください。導入事例や成果を自社の効果としてそのまま見込まず、比較する期間と対象をそろえて評価します。
Beacon Bank:来店・人流を店舗施策に結び付ける
Beacon Bankはリアル行動データを扱うプラットフォームです。店舗への来訪や商圏の動きを把握し、出店・販促・オンラインとオフラインをつなぐ施策を考える企業に向きます。データの取得方法、集計単位、対象エリア、個人情報・プライバシーの扱い、自社の来店・購買データとの突合条件を確認します。Web上の顧客行動だけを改善したい場合は、別の用途の製品と分けて検討します。
各製品の掲載・提供は、プレイド、ブレインパッド、ailead、unerryの公式発表でも確認できます。
Marketplace経由の導入で確認する4つの条件
Google Cloud Marketplaceに掲載されていることと、自社に合う購入・運用条件であることは別です。特に既存のGoogle Cloud契約と合わせたい場合は、製品ページの表示だけで判断せず、販売元と自社の購買担当に次の点を確認します。
- 購入方法と請求:セルフサービスで購入できるか、見積もり・個別契約が必要か。請求主体、通貨、契約期間、更新・解約の条件を照合する。
- 既存システムとの連携:Google CloudやGoogle Workspaceを使っていても、目的のデータが自動でつながるとは限らない。接続方法、更新頻度、項目の対応、障害時の切り分けを確認する。
- データと権限:顧客情報、商談録画、Web行動、人流など、製品ごとに扱う情報が異なる。取得の根拠、保存先、閲覧権限、削除・持ち出し方法を確認する。
- 成果の測定:商談化、接客後の行動、推薦経由の購買、来店など、用途に合う指標を決める。導入前の基準値と比較期間をそろえ、施策の効果を検証する。
比較の順序は「用途を決める → 掲載形態を確認 → 運用条件を比較」です。最初の段階で解決したい課題を絞り、次に販売条件を確認し、最後に連携・セキュリティ・効果測定を比較します。逆に料金表だけで候補を選ぶと、必要なデータをつなげられない可能性があります。

CRMとMAの役割を整理したい場合はAI CRMの導入判断とMAツール比較が参考になります。Google Workspaceのアドオンを探している場合は、対象が異なるGoogle Workspace MarketplaceでのCRM選定を確認してください。
目的から候補を絞る手順と、よくある質問
選定会議では、まず「誰の、どの行動を変えたいか」を一文で書きます。営業担当が顧客情報を探す時間を減らすならCRM、商談の品質を上げるなら商談解析、Web訪問者の行動を改善するならCX、ECの推薦ならレコメンド、店舗施策なら人流分析が比較の出発点です。次に、現行システムの正本データと連携先を記し、候補ごとに同じ質問を投げます。
製品説明を聞く際は、画面のデモだけでなく、自社のデータ量と権限構成を前提にした実装・運用の条件を確かめてください。試用できる場合は、一つの業務と一つの指標に絞って検証します。CRMなら活動記録の欠落、商談解析なら振り返りからの改善行動、接客・推薦なら対象群と比較群の行動、店舗分析なら施策前後の対象エリアを見ます。
Google Cloud Marketplaceの製品はGoogle Workspace Marketplaceのアドオンですか?
いいえ。両者は別のマーケットプレイスです。Google Cloud Marketplaceの掲載製品を購入しても、GmailやGoogle ドキュメントにアドオンが自動追加されるわけではありません。連携できる範囲と導入手順を製品ごとに確認してください。
Google Cloudを契約していれば、どの製品もすぐ利用できますか?
掲載ページがあるだけでは判断できません。購入権限、見積もり、利用規約、初期設定、データ連携が必要な場合があります。自社の購買担当と販売元に、利用開始までの手順を確認します。
Marketplace経由なら請求や契約は必ず一本化されますか?
請求や既存契約との関係は製品の販売形態と自社の契約条件によります。Marketplace上の表示、見積もり、販売元からの回答を照合してください。特定のGoogle Cloud利用コミットメントに算入できるかも、製品と契約の条件を個別に確認する必要があります。
複数製品を併用するとき、どのデータを先に整えますか?
顧客・企業・商品などの識別子と、どのシステムを正本にするかを先に決めます。次に同意・権限、更新頻度、重複処理、削除時の反映を決めます。集計結果だけをつなぐのか、個人単位の情報まで連携するのかで設計が変わります。
顧客情報と営業・マーケティング活動を一つの流れで管理したい場合は、自社の業務と既存システムを踏まえて相談することができます。