HubSpotからファネルAiへ移行する方法|プロパティ・関連付け・切り替え手順
HubSpotからファネルAiへ乗り換えるとき、コンタクトのCSVを取り込むだけでは移行は終わりません。HubSpotでは、コンタクト、会社、取引、担当者、パイプライン、アクティビティ、フォーム、リスト、配信停止が別々の構造で管理され、レコード間の関連付けが営業とマーケティングの文脈を作っています。
現在のプロパティ値だけを移すと、どの会社の誰がどの取引に関わり、どのメールや会議を経て、配信してよい相手なのかが欠けます。移行前に、レコード、関連付け、活動、同意・配信停止、設定資産を分けて保全し、ファネルAi側で再構成する必要があります。
結論として、HubSpotからファネルAiへの移行は、HubSpot Record IDを外部IDとして保持し、会社、人物、商談、関連付け、活動の順に進めます。プロパティとパイプラインは変換表を作り、配信停止・同意情報は通常の項目とは別に先行移行し、少量テスト、全量移行、差分移行、件数・関連・配信抑止の照合まで行います。
本記事のポイント
- HubSpotの会社・コンタクト・取引は、Record IDを外部IDとして保持し、会社、人物、商談、関連付け、活動の順に移すと関係を再構築しやすい。
- プロパティ、パイプライン、担当者、アクティビティは別々に変換し、フォーム、ワークフロー、リストは移行後の運用要件から作り直す。
- 配信停止と同意情報は通常の項目移行から分離して先に保全し、本番配信前に抑止リストと対象条件を照合する必要がある。
HubSpotからは5種類の情報を分けて保全する
HubSpotはCRMとMAを同じ基盤で扱えるため、営業データとマーケティングデータが密接につながっています。移行では、少なくとも次の5種類を別々に確認します。
| 分類 | 主な対象 | 注意点 |
|---|---|---|
| レコードとプロパティ | コンタクト、会社、取引の現在値とRecord ID | すべてのプロパティを選び、内部値と表示名を区別する |
| 関連付け | コンタクトと会社、取引と会社、取引とコンタクト | Record ID同士の関係として保存する |
| アクティビティ | コール、Eメール、ミーティング、メモ、タスク | 通常のレコードエクスポートとは分けて取得する |
| 同意・配信停止 | 配信停止、サブスクリプション、法的根拠、取得日時 | 本番配信より先に移し、抑止を優先する |
| 設定資産 | フォーム、リスト、ワークフロー、テンプレート、パイプライン | 設定ファイルとしてコピーせず、要件から再構成する |
HubSpot公式のレコードのエクスポートでは、現在のプロパティ値と関連付けを出力できます。2026年6月22日更新の公式説明では、コンタクトアクティビティは個別コンタクトデータのエクスポート、アクティビティレポート、エンゲージメントAPIなど別の方法で取得する案内になっています。つまり「すべてのプロパティと関連付け」を選んでも、完全な活動履歴やファイル実体まで一つのCSVに入るわけではありません。
添付ファイル、アクティビティ、API制限、解約後に参照できなくなるURLの注意点は、既存のHubSpotのデータ保全ガイドで先に確認できます。エクスポートファイルのダウンロード期限もあるため、受信したURLを作業台帳に貼るだけでなく、期限内に安全な保管場所へ保存します。
会社・コンタクト・取引をファネルAiへ対応付ける
標準的な対応は、HubSpotの会社をファネルAiの企業、コンタクトを人物、取引を商談へ移す形です。HubSpot Record IDは削除せず、外部IDとして残します。メールアドレスや会社ドメインだけを主キーにすると、変更、重複、複数ドメイン、共有メールの影響を受けるためです。
| HubSpot | ファネルAi | 主な変換 | 照合キー |
|---|---|---|---|
| 会社 | 企業 | 会社名、会社ドメイン、Webサイト、電話、業種、カスタムプロパティ | HubSpot Record IDを外部IDとして保持。ドメインは名寄せ補助に使う |
| コンタクト | 人物 | 氏名、Eメール、電話、携帯、役職、部署、所属会社 | HubSpot Record IDを外部IDとして保持。Eメールは重複確認に使う |
| 取引 | 商談 | 取引名、金額、クローズ日、取引ステージ、担当者、説明 | HubSpot Record IDを外部IDとして保持 |
| 関連付け | 企業・人物・商談の関連 | 会社とコンタクト、会社と取引、取引とコンタクトを再接続 | 元Record IDと新IDの対応表 |
| 担当者 | 商談所有者・活動所有者 | HubSpot担当者のメールをファネルAiメンバーへ対応 | 担当者メールアドレス |
| コール等 | 活動 | note、call、meeting、email、taskへ変換 | 活動日時、所有者、関連レコードID |
会社を先に移し、関連付け用の対応表を作る
最初に会社を移し、「HubSpot Company Record ID → ファネルAi企業ID」の対応表を作ります。次にコンタクトを移し、HubSpotの会社関連付けを対応表で引き直して人物の所属企業を設定します。会社が複数関連付けられている場合は、主所属をどれにするか、その他の関係をどこへ残すかを決めます。
自動関連付けで会社ドメインだけを見ると、持株会社、子会社、複数ブランド、フリーメール、代理店経由の顧客で誤結合が起きます。Record IDを基準に関係を復元し、ドメインは重複候補の検出に使います。
コンタクトは主メールと追加メールを分ける
HubSpotでは一人のコンタクトに複数のメールアドレスを持てます。ファネルAiの標準メール項目へは営業連絡に使う主メールを入れ、追加メールを残す必要がある場合はカスタム項目や参照アーカイブへ保存します。配信停止の判定はメールアドレス単位でずれる可能性があるため、主メールを変換するだけで同意状態を引き継いだとみなしてはいけません。
取引パイプラインは進行条件で変換する
HubSpotのパイプラインと取引ステージを、ファネルAiのパイプラインと商談ステージへ対応させます。HubSpot公式のパイプライン設定にもあるように、パイプラインは異なる営業プロセスを分けるための単位です。部署名やブランド名が違うだけで進行条件が同じなら、移行後に一本化できる場合があります。
変換表には、HubSpot pipeline ID、dealstage ID、表示名、移行先ステージ、進行中・保留・受注・失注の状態、確度、必須項目、失注理由の扱いを記録します。表示ラベルだけでなく内部IDを残すと、同名ステージや名称変更があっても処理を再現できます。
担当者はメールで照合し、未解決ルールを決める
HubSpot担当者IDをそのままファネルAiへ渡すことはできません。HubSpotユーザー・担当者のID、氏名、メール、有効状態を出力し、ファネルAiのメンバーへメールで対応させます。退職者、統合前アカウント、移行先に未登録の担当者は、共通の移行管理者へ寄せるか、旧担当者名をカスタム項目へ保存します。
活動・配信停止・フォーム・ワークフローを再構成する
アクティビティは種別と関連先を分けて移す
HubSpotのコール、Eメール、ミーティング、メモ、タスクは、ファネルAiの活動へ対応させます。活動日時、タイトル、本文、状態、所有者に加え、どの会社、コンタクト、取引に結び付くかを保持します。関連付け先の企業・人物・商談IDが確定してから活動を移すのが安全です。
全履歴を移すと件数と確認工数が膨らむため、進行中商談、直近1〜3年、契約・クレーム・引き継ぎに必要な履歴など、期間と重要度で範囲を決めます。それより古い履歴は検索可能なアーカイブへ残し、必要なレコードから参照できるようにします。
配信停止・同意情報を最優先で移す
メールマーケティングを継続する場合、配信停止、ハードバウンス、サブスクリプション種別、同意取得日時、取得元、法的根拠を通常のコンタクト項目から分離して保全します。空欄は同意済みを意味しません。証跡がない相手を自動的に配信可能へ変換しないことが重要です。
ファネルAi側では、配信停止対象を抑止リストへ先に登録し、その後にコンタクトを移します。本番配信前には、HubSpotの配信停止件数、ファネルAiの抑止件数、対象セグメントから除外された件数を照合します。移行期間中にHubSpotで新たに配信停止が発生する可能性があるため、切り替え直前の差分も必要です。
フォームとワークフローは設定をコピーせず作り直す
HubSpotフォーム、ワークフロー、リスト、Eメールテンプレートは、レコードCSVと同じ方法では移せません。フォーム項目、同意文言、登録後処理、担当者割り当て、通知、取引作成、リードステータス更新などの要件へ分解し、ファネルAiのフォーム、ルール配信、セグメント、API・Webhook連携で再構成します。
HubSpotのワークフローをすべて再現すると、旧環境の複雑さまで引き継ぎます。直近90日で実行されたか、現在の営業・マーケティング判断に使われているか、法務・同意上必要かを確認し、再構成するものを絞ります。
リストは固定データより条件を移す
アクティブリストは、その時点のメンバーCSVより、抽出条件を残す方が再現しやすくなります。業種、従業員規模、ライフサイクルステージ、最終活動日、配信可否など、セグメントを作る条件を台帳化し、ファネルAiの企業・人物・活動データに合わせて作り直します。
添付ファイルは実体を保全し、参照先を付け替える
HubSpotのファイルURLをCSVへ残しただけでは、解約や権限変更後に参照できなくなる可能性があります。提案書、契約関連資料、商談メモ添付を安全な保管場所へ保存し、ファイル名、元URL、HubSpot Record ID、関連先、作成日、保存先URLを台帳化します。
Google Workspaceを利用している場合は、営業資料の実体を権限付きGoogle Driveへ集約し、ファネルAiの活動やカスタムURL項目から参照する設計も選べます。共有範囲は移行後に必ず再確認します。
テスト移行から本番切り替えまでの6ステップ
ステップ1. HubSpotを全量保全する
コンタクト、会社、取引は、CSV形式で「すべてのプロパティと関連付け」を選び、Record IDを必ず含めます。活動、担当者、パイプライン、配信停止、ファイルは別に取得します。抽出日時、ビュー条件、列ヘッダーの言語、対象プロパティ、関連付けの出力条件を作業記録へ残します。
ステップ2. プロパティ辞書と変換表を作る
HubSpotプロパティの内部名、表示名、型、選択肢、必須有無、最終利用日、移行先、変換ルール、空欄時の扱い、上書き可否を整理します。HubSpot公式のインポートファイルの形式設定でも、列挙値、日付、担当者、複数値、空白セルは別の扱いです。移行先でも同じ論点を先に固定します。
ステップ3. ファネルAiの受け皿を設定する
メンバー、パイプライン、商談ステージ、カスタム項目、選択肢、抑止リストを先に用意します。ファネルAiの機能一覧にあるCSV取込、CRM設定、カスタム項目、セグメント、API・Webhookのうち、移行対象ごとに方式を決めます。コンタクト中心の小規模移行はCSV、会社・取引・活動・関連付けを含む移行は外部IDを使ったAPI処理が適しています。
ステップ4. 代表データで関連付けと配信抑止をテストする
複数会社に関係するコンタクト、複数担当者が関与する取引、複数パイプライン、受注・失注、カスタムプロパティ、活動、配信停止を含む代表データを選びます。会社と人物、商談と人物、活動と商談の関係を画面で確認し、配信停止者がセグメントと配信対象から除外されることも確認します。
ステップ5. 全量移行後に差分を取り、更新を切り替える
全量抽出後もHubSpotではレコード更新、活動追加、配信停止が発生します。最終更新日時を使って差分対象を管理し、切り替え時間になったらHubSpot側の更新・フォーム流入・配信を止めます。差分を外部IDでupsertし、関連付けと配信停止の差分も反映します。
ステップ6. 件数・関連・金額・配信可否を照合する
- 会社、コンタクト、取引、活動ごとの対象件数、成功件数、除外件数、失敗件数が一致している
- 会社未所属の人物、企業未所属の商談、人物未関連の重要商談が許容範囲内である
- 進行中取引の件数と金額合計、受注・失注件数がHubSpotと一致している
- パイプラインと取引ステージの変換が合っている
- 担当者未解決、選択肢エラー、日付エラー、関連付けエラーが解消されている
- 配信停止・バウンス・同意不明の対象が本番配信から除外されている
- フォーム流入、担当者通知、商談作成、営業会議の新しい運用が動く
移行を単なるデータ作業にしないため、CRM乗り換え前チェックリストで並行運用、切り戻し条件、営業会議まで確認します。
よくある質問
HubSpotのデータは一つのCSVで移行できますか?
できません。レコードの現在値と関連付けはエクスポートできますが、活動履歴、配信停止・同意、ファイル実体、フォーム、ワークフローなどは別に扱う必要があります。目的ごとに保全方法と移行先を決めます。
HubSpotの関連付けはどう維持しますか?
会社、コンタクト、取引のHubSpot Record IDを外部IDとして残し、各レコードの移行後IDとの対応表を作ります。会社、人物、商談を登録した後、その対応表を使って関連付けを再作成します。
HubSpotのワークフローやフォームはそのまま移せますか?
設定をそのままコピーするのではなく、起点、条件、更新、通知、割り当て、同意、例外処理へ分解して再設計します。現在使われているものだけを選び、ファネルAiのフォーム、セグメント、ルール配信、API・Webhookで再構成します。
HubSpotの配信停止情報はコンタクト項目として移せばよいですか?
通常項目だけでなく、配信抑止として先に反映する必要があります。サブスクリプション種別、配信停止、バウンス、同意日時、取得元、法的根拠を保全し、同意が確認できない相手を自動的に配信可能にしないでください。
HubSpotはいつ解約すればよいですか?
全量保全、テスト移行、本番移行、差分移行、配信停止照合、ファイル実体の保存、利用者確認が終わる前に解約しないでください。フォームやワークフローを止める日時、並行運用、切り戻し期間も含めて計画します。
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HubSpotからの移行範囲を整理したい場合
HubSpotのプロパティ数、パイプライン、活動履歴、マーケティング配信、フォーム、ワークフロー、連携が多いほど、移行対象を分けた設計が重要です。ファネルAiでは、現行HubSpotのデータ構造と営業・マーケティング運用を確認し、移すもの、再構成するもの、参照保管するものを分けた移行設計を相談できます。