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2026年、なぜBtoBマーケティングは難しくなったのか?今やるべき打ち手を解説

2026年、なぜBtoBマーケティングは難しくなったのか?今やるべき打ち手を解説

BtoBマーケティングに携わっている方であれば、ここ1〜2年で「以前よりも明らかに手応えが薄くなった」と感じた経験があるのではないでしょうか。展示会に出展しても名刺は集まるのに商談に発展しない。ウェビナーの申込数はそこそこなのに当日の参加率が低い。テレアポはそもそも繋がらない。広告のリード単価は上がる一方――。

この現場の肌感覚は、けっして気のせいではありません。BtoBの購買行動はこの数年で構造レベルの変化を起こしており、かつての「正攻法」がそのまま通用しにくくなっています。GartnerはBtoBの購買プロセスを直線的なファネルではなく、複数の意思決定ステップを行き来する複雑な旅路として定義していますし、Forresterも購買グループの多人数化と意思決定の難化を指摘しています。

本記事では、2026年のBtoBマーケティングがなぜこれほど難しくなったのかを構造的に整理し、そのうえで「じゃあ何をすればいいのか」を現場目線で掘り下げていきます。単なる悲観論ではなく、今の環境で成果を出すための考え方にフォーカスしてまとめましたので、マーケティング担当の方だけでなく、営業サイドの方にもぜひ読んでいただきたい内容です。


本記事のポイント

  1. BtoBマーケティングの難化は、担当者の力量不足ではなく「買い手行動の構造変化」が根本原因である。
  2. 年の競争軸は「リード数」から「第一想起(課題が浮上した瞬間に思い出されること)」へ移行している。
  3. 施策を増やすのではなく、”誰に・どの文脈で想起されるか”を起点に打ち手を絞り込むことが成果の分かれ目になる。

BtoBマーケティングが難しくなったのは努力不足ではなく構造変化が原因

最初にはっきりさせておきたいのは、「施策がうまくいかない=担当者の努力が足りない」ではないということです。むしろ多くの企業は、以前よりも施策の種類を増やし、ツールを導入し、チーム体制も拡充しています。展示会、広告、SEO、ホワイトペーパー、ウェビナー、メール配信、インサイドセールス、SNS運用……使えるチャネルの数は明らかに増えました。AIを活用してコンテンツ制作やメール文面の効率を上げている企業も珍しくありません。

それでも成果が出にくくなっているのは、市場全体で「情報の供給過多」が起きているからです。出し手がこれだけ増えれば、受け手の可処分時間と注意力はどうしても分散します。加えて、受け手側も営業アプローチへの対策を強化し、情報収集スキルを高めています。以前は「接点さえ作れれば勝負になった」のが、今は「接点を作る前に選別される」時代へと移行しているのです。

この構造を理解しないまま施策の数だけ増やし続けると、現場は疲弊する一方で成果は頭打ちになります。まず必要なのは、「なぜ効かなくなったのか」を正しく認識することです。


従来の獲得チャネルが効きにくくなった具体的な理由

展示会――数が増え、来場者が分散する構造問題

展示会は依然として有力なチャネルです。特に高単価商材や導入検討が複雑な領域では、対面で話せる場の価値は高い。ただし、以前ほど「出れば成果が出る」とは言いにくくなっています。

その最大の理由は、展示会そのものの数が増えたことです。業界特化型、テーマ特化型、地域特化型と細かく分かれた結果、来場者はイベント間で分散します。出展企業も増えるため、来場者から見れば「似たようなブースがたくさんある」状態です。名刺は集まっても商談化率が低い、イベント後のフォローメールが他社と埋もれる、出展コストに対して受注貢献を説明しにくい――こうした課題を抱えている企業は少なくないはずです。

つまり展示会は、「出展する」だけでなく「何を来場者の記憶に残すか」まで設計しないと、投資対効果を出しにくい施策に変わっています。

ウェビナー――供給過多で参加者の「聞く意欲」が下がっている

コロナ禍をきっかけに急速に普及したウェビナーも、同じ構造的問題を抱えています。開催コストの低さと集客のしやすさから多くの企業が取り組んだ結果、受け手のもとには日々大量のウェビナー案内が届くようになりました。

申し込みの心理的ハードルが低いぶん、「とりあえず登録だけして当日は参加しない」「参加しても別の作業をしながら聞き流す」というケースが増えています。本来ウェビナーの価値は、参加者の意思決定を一歩前に進めることにあるはずですが、テーマが広すぎたり内容が一般論で終わったりすると、「なんとなく聞いた」で完結してしまいます。

開催回数を増やすこと自体がゴールになっていないか。「誰に向けて、何の判断を進めてもらうために開催するのか」が明確か。ウェビナーの評価軸を集客数ではなく「参加後の行動変容」に置き直す必要がある時期に来ています。

テレアポ――接続率の低下は構造的な問題

テレアポの効きにくさも、個人のトーク力ではなく環境側の変化に起因しています。代表電話の自動音声化、受付での一律ブロック、直通番号の非公開化、在宅勤務の定着――こうした要因が重なり、そもそも「担当者と話す」というスタート地点に立つこと自体が難しくなっています。

さらに受け手側も慣れています。知らない番号には出ない、営業電話を想定した断りが定型化している、という状況は多くの方が実感しているでしょう。AIでスクリプトを最適化する余地はありますが、その前に「話せる状態にたどり着く」ハードルを超える必要があります。テレアポに求められるのは、トーク力よりも「誰に・どのタイミングで・どんな文脈で電話するか」という接触設計の精度です。

フォーム営業――受け手の防御が進み、テンプレ送信では反応が取れない

問い合わせフォームからの営業もまた厳しくなっています。フォームが設置されている以上、送ること自体は可能ですが、受け手側は大量のフォーム営業を日常的に受け取っており、対策がかなり進んでいます。営業目的の送信を明示的に禁止する企業も増えていますし、テンプレ的な文面はそもそも開かれずに終わるケースが大半です。「数を打てば当たる」施策としてのフォーム営業は、もうほぼ機能しないと考えたほうがよいでしょう。


チャネルの問題ではない――本質は買い手の行動変化にある

ここまで展示会、ウェビナー、テレアポ、フォーム営業と個別に見てきましたが、実はこれらは「チャネルごとの問題」ではありません。根本にあるのは、買い手の動き方そのものが変わったという事実です。

GartnerはBtoBの購買を、課題認識・解決策探索・要件定義・ベンダー選定・合意形成といったステップを非線形に行き来する複雑なプロセスとして説明しています。Forresterも、購買グループの多人数化によって意思決定がさらに難しくなっていると指摘しています。

つまり、見込み顧客は「広告を見て→資料請求して→営業と話して→比較する」という直線的な流れでは動いていません。実際には、社内で課題感が共有されたあと、担当者がWeb検索やSNS、AI検索、比較サイトなどで情報を集め、ざっくり候補を持ち、社内の関与者ごとに異なる論点が出て、一度検討が止まり、またしばらくして再開する――という断続的な動きが一般的です。

なかでも衝撃的なのは、6senseが2025年に公表した調査結果です。最終的に選ばれたベンダーの95%が、購買検討の初日に作られたショートリストにすでに含まれていたと報告されています。つまり、後から大量に接触して候補に滑り込むのではなく、「最初に想起される側にいるかどうか」が勝敗をほぼ決めているのです。


2026年の競争軸は「リード獲得」から「第一想起」へシフトしている

かつてのBtoBマーケティングでは、リードの「数」がKPIの中心に据えられていました。広告やSEO、展示会、ホワイトペーパーでいかに多くのリードを集めるかが勝負でした。

もちろん今でもリード獲得は重要ですが、それだけでは不十分です。買い手は膨大な情報に触れており、比較対象も多い。その中で埋もれないためには、「知られている」だけでは弱く、ある課題が浮上した瞬間に「あの会社に相談しよう」と思い出されなければならない。これが「第一想起」です。

たとえば、「営業管理ツールが必要だ」という広い想起と、「Google Workspaceと深く連携できる営業管理基盤が欲しい」という具体的な想起では、後者のほうが圧倒的に比較の土俵に乗りやすくなります。前者は候補が多すぎて埋もれますが、後者は文脈が限定されているぶん、その領域で第一想起を取れれば選ばれる確率が跳ね上がるわけです。

ここで重要になるのがブランディングですが、ふわっとした知名度向上の話ではありません。「どの課題に対して・どんな価値を持つ存在として記憶されるか」を明確に固定すること。巨大なカテゴリ全体を取りに行くよりも、勝てる切り口でカテゴリを定義し、その中で第一想起を握るほうがはるかに現実的です。


2026年のBtoBマーケティングで取るべき5つの打ち手

ここからは、今の環境で実際に何をすべきかを具体的に整理します。重要なのは施策を増やすことではなく、打ち手を絞ることです。

打ち手①|特定の課題文脈で第一想起を取りにいく

最優先はここです。「自社は何者か」を広く語るのではなく、「どの課題が浮上したときに、どんな会社として思い出されたいか」を明確に定義する必要があります。

たとえば、「営業DXを推進したい企業向けの基盤」「入力負荷を減らして案件を可視化する仕組み」「メールや会議の履歴をもとに追客を支援するツール」といった形です。ポイントは、社内の言葉ではなく、買い手が実際に感じている課題の言葉で定義すること。この軸が定まらないと、コンテンツも広告も展示会も営業資料も、すべてバラバラな方向を向いてしまいます。

打ち手②|広く集めるのではなく「今動いている企業」を見つける

闇雲にリード数を追うフェーズは終わりつつあります。リードを増やすこと自体が難しくなっていますし、増やせても受注に繋がらないケースが増えているからです。

むしろ重要なのは、今まさに動いている企業、比較検討に入りかけている企業、過去に商談が止まったが再浮上しそうな企業を見つけ出すことです。既存のメール履歴、商談記録、イベント参加ログ、資料閲覧履歴などを横断的に見れば、温度感の高い企業はかなりの精度で特定できます。大量の新規開拓よりも、こうした既存接点の優先順位づけのほうが成果に直結する場面は確実に増えています。

打ち手③|比較・稟議・社内共有を後押しするコンテンツを整備する

今のBtoBでは、担当者個人が「いいな」と思っただけでは導入は決まりません。社内の別部門への説明、上長への稟議、他社との比較検討が必ず発生します。つまり売り手側は、認知を取って終わりではなく、社内で話を通しやすい材料を揃えておく必要があるのです。

導入事例、他社比較表、ROIの試算ロジック、導入までのステップ、よくある失敗とその回避策、稟議に添付できる説明資料――こうしたコンテンツは地味ですが、受注に近いフェーズで非常に強く効きます。派手なトップファネル施策ばかりに目が行きがちですが、ボトムファネルのコンテンツが薄い企業は意外なほど多いのが現状です。

打ち手④|単発の施策評価ではなく接点全体を設計する

展示会、ウェビナー、広告、SEO、営業活動。これらを個別に評価しすぎると、全体の最適化を見失います。

たとえば展示会単体では受注に直結しなくても、その後の指名検索や資料ダウンロード、商談のきっかけになっていることがあります。逆にウェビナーでリードが取れても、その後の営業フォローでメッセージがズレていれば一気に失速します。いま必要なのは施策単体の数字を追うことではなく、「認知→比較→社内共有→商談→受注」という流れの中で何がどう効いているかを全体で見る視点です。

打ち手⑤|AIは「大量配信」ではなく「優先順位づけ」に使う

AI活用の方向性を間違えると、かえって逆効果になります。たしかにAIでメール文面やコンテンツ制作を効率化することは可能ですが、それだけでは情報の供給過多をさらに加速させるだけです。

今のフェーズで本当に価値が大きいのは、「誰を今追うべきか」「どの案件を優先すべきか」「どの論点で会話すべきか」を見極めるためのAI活用です。つまり「数を増やすAI」ではなく「集中先を決めるAI」のほうが、実務インパクトは圧倒的に大きいのです。


5つの打ち手を整理する――比較表

ここまで挙げた5つの打ち手を、従来型アプローチとの違いがわかるように整理します。

打ち手従来のアプローチ2026年に求められるアプローチ
第一想起の獲得広く認知を取りにいく特定の課題文脈に絞って想起を固定する
ターゲティングリード数を最大化する今動いている企業・再浮上しそうな企業を見つける
コンテンツトップファネル向けの情報発信が中心比較・稟議・社内共有を後押しする資料を整備する
施策評価チャネルごとに単体で効果を測定認知から受注までの全体フローで貢献を把握する
AI活用コンテンツの量産・配信の効率化追うべき企業・案件・論点の優先順位づけ

こうして並べてみると、2026年のBtoBマーケティングは「足し算」ではなく「引き算と焦点化」が鍵であることがよくわかります。


筆者の所感|「打ち手を増やす」思考から抜け出せるかが分岐点

ここから少し主観的な話をさせてください。

BtoBマーケティングの現場を見ていて感じるのは、多くの企業が「施策の数を増やすことで成果を取り戻そう」としている、ということです。展示会の出展数を増やす、ウェビナーの開催頻度を上げる、広告チャネルを拡張する。気持ちはわかりますし、やれること全部やりたい気持ちも理解できます。ただ、これは根本的な解決にならないケースが増えています。

施策を増やすほど、ひとつひとつの企画にかけられるリソースは薄くなり、クオリティが下がりやすくなります。すると「やっているのに成果が出ない」という現場のフラストレーションが溜まり、モチベーションの低下やチーム内の摩擦につながることもあります。

本当に問われているのは、「うちは何の会社として記憶されているのか」「今追うべき企業はどこか」「買い手の社内稟議を助ける材料は揃っているか」という、もっと手前の問いだと感じています。この問いに答えが出ていない状態で施策を足しても、打率が低い打席をただ増やしているだけになってしまう。

あえて極端に言えば、今のBtoBマーケティングで最も勇気がいるのは「やらないことを決めること」です。やることを増やすのは簡単ですが、減らす判断は根拠と覚悟がいる。だからこそ、第一想起の定義やターゲティングの精度を先に詰めることが重要で、それが決まった上で「じゃあどの施策で実現するか」を考えるのが本来の順序だと考えています。


よくある質問(FAQ)

BtoBマーケティングが難しくなった一番の原因は何ですか?

最大の原因は、買い手側の行動が変わったことです。営業に接触する前に情報収集がほぼ完了し、検討初期の段階で候補が絞られるようになりました。6senseの調査では、最終選定されたベンダーの95%が購買初日のショートリストに含まれていたと報告されており、「後から入り込む」難易度が非常に高くなっています。

第一想起を取るためには具体的に何をすればよいですか?

まず「自社がどの課題文脈で思い出されたいか」を明確に定義することがスタートです。そのうえで、その文脈に合ったコンテンツ発信、事例の打ち出し方、広告のメッセージ、営業トークを一貫させます。重要なのは大きなカテゴリ全体を狙うのではなく、勝てる切り口を選んで、そこで第一想起を取ることです。

リード獲得はもう意味がないのですか?

意味がないわけではありません。ただし、リード数だけをKPIにする時代は終わりつつあります。量を集めても受注に繋がらないリードばかりでは意味がありませんし、既存接点から温度感の高い企業を見つけ出すほうが費用対効果が高いケースが増えています。リード獲得は手段のひとつであり、目的そのものにしないことが大切です。

AI活用はBtoBマーケティングにどう役立ちますか?

AIはコンテンツ制作やメール文面の生成など効率化に役立ちますが、2026年の環境では「何を増やすか」よりも「何に集中するか」を決めるための活用のほうが価値が大きいです。具体的には、追うべき企業の優先順位づけ、案件の温度感判定、商談時に刺さる論点の特定といった用途です。

展示会やウェビナーはもうやめたほうがいいですか?

やめる必要はありません。ただし、以前のように「出れば成果が出る」「開催すればリードが取れる」という前提は見直すべきです。展示会であれば「来場者の記憶に何を残すか」まで設計すること、ウェビナーであれば「誰の、何の判断を進めるための開催か」を明確にすることが求められます。目的と設計の解像度を上げれば、どちらも依然として有効な施策です。


まとめ|2026年のBtoBマーケティングは「大量接触」から「想起と見極め」の時代へ

2026年のBtoBマーケティングが難しくなった理由は、特定のチャネルが使えなくなったからではありません。市場全体で情報の供給量が増え、買い手の情報収集力と防御力が上がり、比較検討に入る前の段階で候補がほぼ決まる――この構造変化こそが本質です。

Gartnerが示す購買プロセスの非線形化、Forresterが指摘する購買グループの多人数化、6senseが明らかにした初期ショートリストの重要性。これらはいずれも、同じ方向を指しています。後から接触回数で巻き返すのではなく、最初から候補に入っていなければ勝てない時代が来ているということです。

だからこそ、今やるべきことはシンプルです。特定の課題文脈で第一想起を取ること。今動いている企業を見つけて深く向き合うこと。比較や稟議を後押しするコンテンツを整えること。そしてAIは大量配信ではなく、優先順位を見極めるために使うこと。

もし今、「施策は増やしているのに成果が出ない」と感じているなら、足りないのは努力ではなく視点の転換かもしれません。見直すべきは施策の数ではなく、「自社はどの課題文脈で思い出される存在なのか」「今、本当に追うべき企業はどこなのか」という問いへの答えです。それが定まったとき、展示会もウェビナーも広告も営業も、ようやく同じ方向を向いて動き始めます。

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