【2025年版】マーケティングファネルとは?種類・図解・活用法を完全網羅(ダブル・フルファネル対応) – ファネルAi
イベント お役立ち お知らせ
詳しく知る デモを予約

【2025年版】マーケティングファネルとは?種類・図解・活用法を完全網羅(ダブル・フルファネル対応)

1. マーケティングファネルとは、顧客が商品を知ってから購入・定着するまでの心理変容を「漏斗(ろうと)」に見立てて可視化したフレームワーク。

2. 従来の「パーチェスファネル」に加え、購入後の顧客行動を捉える「インフルエンスファネル」、両者を統合した「ダブルファネル」、さらに循環型の「フルファネル」へと進化している。

3. TOFU・MOFU・BOFUの各段階に適した施策を設計し、カスタマージャーニーと紐付けてKPIを設定することで、ファネルは実務で機能する。

「マーケティングファネル」という言葉は聞いたことがあるけれど、正直なところ、自分の仕事にどう活かせばいいのかピンと来ていない——そんな方は少なくないのではないでしょうか。私自身、マーケティングの世界に足を踏み入れた当初、「ファネル」という概念をどこか抽象的なものとして捉えていました。教科書的な図は理解できても、それが実際の施策立案にどうつながるのかが見えなかったのです。

しかし、複数のプロジェクトを経験する中で、ファネルの考え方が「単なる理論」ではなく「現場で使える武器」になることを実感しました。特に、顧客の行動が複雑化した現代においては、従来の「古いファネル」だけを知っていても不十分です。ダブルファネルやフルファネルといった新しい概念を理解し、自社のビジネスに合わせて使い分けることが、成果を出すための鍵になっています。

本記事では、ファネルの基本から最新トレンドまでを網羅的に解説します。2025年の今、マーケターが知っておくべきファネルの全体像を、できる限り実践的な視点でお伝えしていきます。


なぜ今「ファネル」が重要なのか

マーケティングファネルの概念自体は、決して新しいものではありません。1920年代にはすでにAIDAモデル(Attention→Interest→Desire→Action)が提唱されていました。それから100年近くが経過した今、なぜ改めて「ファネル」が注目されているのでしょうか。

その最大の理由は、顧客行動の複雑化にあります。かつては、テレビCMを見て商品を知り、店舗で購入するという比較的シンプルな流れが主流でした。しかし現代の消費者は、SNSで情報を得て、比較サイトで検討し、YouTubeでレビュー動画を見て、ECサイトで購入し、そしてその体験をまたSNSで発信する、という複雑な行動を取ります。

この変化に対応するため、顧客行動モデルもAIDMAからAISAS(Attention→Interest→Search→Action→Share)へ、さらにSaaS時代にはLTV(顧客生涯価値)を重視した継続的な関係構築モデルへと進化してきました。

ファネルの重要性は、こうした複雑な顧客行動の「どこで」「なぜ」顧客が離脱しているのかを可視化できる点にあります。漠然と「広告を出しているのに売れない」と悩むのではなく、「認知から興味への移行で50%が離脱している」「検討から購入への転換率が業界平均の半分しかない」といった具体的な課題が見えるようになるのです。

課題が見えれば、打ち手も明確になります。認知から興味への移行に問題があるなら、広告クリエイティブの訴求内容を見直す。検討から購入への転換が弱いなら、導入事例やFAQを充実させる。このように、ファネルは「どこに投資すべきか」を判断するための羅針盤として機能します。


ファネルの変遷と3つの基本型

マーケティングファネルには、いくつかの種類があります。「ファネル」と一口に言っても、何を指しているのかが文脈によって異なることがあるため、まずは基本となる3つの型を整理しておきましょう。

パーチェスファネル:購入までの道のりを可視化する

パーチェスファネル(Purchase Funnel)は、最も古典的で広く知られているファネルの形です。顧客が商品やサービスを「知ってから買うまで」のプロセスを、上から下へ向かう漏斗の形で表現します。

典型的なパーチェスファネルは、「認知(Awareness)」「興味(Interest)」「検討(Consideration)」「購入(Purchase)」という4つの段階で構成されます。AIDMAモデルやAIDAモデルをベースにしたものと考えると分かりやすいでしょう。

このファネルの特徴は、段階が進むにつれて人数が減っていく、という現実を視覚的に表している点です。100人が商品を認知しても、興味を持つのは30人、検討に進むのは10人、実際に購入するのは3人——このように、漏斗の上部は広く、下部は狭くなります。この「絞り込み」の構造が、ファネル(漏斗)という名称の由来です。

パーチェスファネルは、特に新規顧客の獲得プロセスを分析・改善する際に有効です。「広告の認知効果は出ているが、サイト訪問後の離脱が多い」といった課題を特定し、ボトルネックを解消していくアプローチに適しています。

インフルエンスファネル:購入後の行動を捉える

パーチェスファネルが「購入まで」を対象としているのに対し、インフルエンスファネル(Influence Funnel)は「購入後」の顧客行動に焦点を当てます。

インフルエンスファネルは、パーチェスファネルとは逆の形——下が狭く、上が広い逆三角形で描かれることが多いです。これは、「継続(Retention)」「紹介(Referral)」「発信(Advocacy)」という順に、顧客の影響力が広がっていく様子を表しています。

商品を購入した顧客の一部は、継続的にリピート購入してくれます。そのうちの何割かは、友人や知人に商品を紹介してくれます。さらにそのうちの一部は、SNSやブログで積極的に発信し、多くの潜在顧客に影響を与えるインフルエンサー的な存在になってくれます。

このファネルが重視されるようになった背景には、口コミやSNSの影響力の増大があります。企業が発信する広告よりも、実際のユーザーの声の方が信頼されやすい時代において、既存顧客を「ファン化」し、自発的に発信してもらう仕組みを作ることが、マーケティング戦略上きわめて重要になっているのです。

ダブルファネル:獲得と育成を統合する

ダブルファネル(Double Funnel)は、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせた概念です。両者を縦に連結すると、上部が広く、中央(購入のタイミング)が最も狭く、下部が再び広がる「砂時計」のような形になります。

この砂時計型のモデルは、「新規顧客の獲得」と「既存顧客の育成」を一気通貫で捉えることの重要性を示しています。どちらか一方だけに注力するのではなく、両方のバランスを取りながら最適化していくという考え方です。

特にサブスクリプションモデルやSaaSビジネスにおいては、ダブルファネルの視点が不可欠です。新規獲得にいくらコストをかけても、解約率が高ければ事業は成長しません。逆に、既存顧客の維持だけに注力していては、市場での存在感を高めることができません。獲得と育成の両輪を回すことで、持続的な成長が実現するのです。


3つのファネル比較:それぞれの特徴と使い分け

ここまで説明した3つのファネルの特徴を、表形式で整理しておきます。

ファネルの種類対象となる顧客行動形状主な活用シーン
パーチェスファネル認知から購入まで上が広く下が狭い漏斗型新規顧客獲得の最適化、広告効果の分析
インフルエンスファネル購入から発信まで下が狭く上が広い逆漏斗型既存顧客の維持・活性化、口コミ促進
ダブルファネル認知から発信まで全体砂時計型顧客ライフサイクル全体の設計、LTV最大化

どのファネルを使うべきかは、自社のビジネスモデルや課題によって異なります。たとえば、ECサイトで単発購入が中心のビジネスであれば、まずはパーチェスファネルで新規獲得の効率を高めることが優先かもしれません。一方、サブスクリプション型のサービスであれば、最初からダブルファネルの視点で全体設計を行う方が効果的です。


最新トレンド:循環型の「フルファネル」戦略

ダブルファネルからさらに進化した概念として、近年注目されているのが「フルファネル」(Full Funnel)あるいは「フライホイール」(Flywheel)と呼ばれる考え方です。

従来のファネルは、いずれも「上から下へ」あるいは「入口から出口へ」という一方向の流れを前提としていました。しかし、現実の顧客行動はそれほど単純ではありません。一度購入した顧客が、時間を置いて別の商品カテゴリに興味を持つこともありますし、発信を通じて獲得した新規顧客が、さらに別の新規顧客を連れてくることもあります。

フルファネル戦略は、こうした顧客行動の「循環」を前提としたアプローチです。一直線のファネルではなく、顧客がぐるぐると回り続ける「フライホイール(弾み車)」のようなイメージで捉えます。

HubSpotが提唱したフライホイールモデルでは、顧客を中心に置き、「Attract(惹きつける)」「Engage(関係を築く)」「Delight(感動させる)」という3つの要素が循環しています。顧客に感動を与えることで、その顧客が新たな顧客を惹きつける力になる、という好循環を生み出すことが目標です。

この考え方の重要性は、ブランド認知からロイヤルカスタマー化までを「一気通貫」で設計する必要がある、という点にあります。認知施策、獲得施策、育成施策がバラバラに動いていては、循環は生まれません。全体を俯瞰しながら、各段階の施策が有機的につながるように設計することが求められます。


段階別アプローチ:TOFU・MOFU・BOFUとは

ファネルを実務で活用する際によく使われるのが、TOFU・MOFU・BOFUという3つの区分です。これは、ファネルを上部(Top of Funnel)、中部(Middle of Funnel)、下部(Bottom of Funnel)の3つに分け、それぞれに適した施策を設計するための枠組みです。

TOFU(Top of Funnel):認知を広げる

TOFUは、ファネルの最上部に位置する「認知拡大」の段階です。まだ自社の商品やサービスを知らない、あるいは課題を明確に認識していない潜在顧客に対して、まずは存在を知ってもらうことが目的となります。

この段階で有効な施策としては、SNSでの情報発信、オウンドメディアでのSEO記事、動画コンテンツ、ディスプレイ広告などが挙げられます。いきなり商品の売り込みをするのではなく、ターゲットが抱える課題や関心事に寄り添ったコンテンツを提供することで、「この会社は役に立つ情報を発信している」という認知を形成します。

TOFUの段階では、直接的なコンバージョンを求めるのは時期尚早です。KPIとしては、インプレッション数、リーチ数、サイト訪問数、SNSのフォロワー増加数などを設定するのが適切でしょう。

MOFU(Middle of Funnel):理解を深める

MOFUは、すでに自社を認知している顧客に対して、より深い理解を促す段階です。「この会社の商品やサービスが、自分の課題を解決してくれるかもしれない」と考え始めた見込み顧客を、購入検討のフェーズへと導きます。

この段階では、ホワイトペーパーやeBook、ウェビナー、メールマガジン、比較記事などが有効です。具体的な解決策や、導入によるメリット、他社との違いなどを伝えることで、「もっと詳しく知りたい」という興味を「買いたい」という欲求に変えていきます。

KPIとしては、資料ダウンロード数、メルマガ登録数、セミナー参加数、サイト内の回遊率や滞在時間などが考えられます。リードの「量」だけでなく「質」も意識し、購入可能性の高いリードを育成することが重要です。

BOFU(Bottom of Funnel):決断を後押しする

BOFUは、ファネルの最下部、つまり購入直前の段階です。商品やサービスへの理解は十分にあり、あとは「本当にここで買っていいのか」という最後の不安を解消するフェーズとなります。

この段階では、導入事例、お客様の声、無料トライアル、商談やデモンストレーション、見積もり提示などが効果的です。BtoBであれば、営業担当者による個別提案やクロージングも、BOFUの重要な施策です。

KPIは、商談設定数、トライアル申込数、見積もり依頼数、そして最終的な成約数(CVR)となります。この段階での離脱を防ぐことが、ファネル全体の効率を大きく左右します。


段階別施策の比較表

TOFU・MOFU・BOFUそれぞれの特徴と具体的な施策を、表形式で整理します。

段階顧客の状態目的主な施策代表的なKPI
TOFU課題を認識していない、または自社を知らない認知の獲得SNS発信、SEO記事、動画、ディスプレイ広告インプレッション、リーチ、サイト訪問数
MOFU課題を認識し、解決策を探している理解の促進、リード育成ホワイトペーパー、ウェビナー、メルマガ、比較記事資料DL数、セミナー参加数、メルマガ登録数
BOFU購入を検討しており、最終判断を行う段階購入決断の後押し導入事例、無料トライアル、商談、デモ商談数、トライアル申込数、成約数

この表を参考に、自社の施策がどの段階に対応しているのか、また各段階に十分なコンテンツや施策が用意されているかを点検してみてください。


私がファネル設計で大切にしていること

ここからは、私自身がファネル設計に携わる中で感じてきたことを、少し主観的にお話しさせてください。

ファネルという概念は非常に便利ですが、「理論通りにきれいに設計すれば成果が出る」というものではありません。実際の顧客行動は、ファネルの図が示すほど整然としていないからです。

たとえば、MOFUをすっ飛ばして、いきなりBOFUから入ってくる顧客もいます。知人からの強い推薦があった場合や、競合からの乗り換えで「もう決めている」状態の顧客などです。逆に、BOFUまで進んだのに、突然TOFUに戻ってしまう(一から検討し直す)ケースもあります。

だからこそ、私はファネルを「厳密な設計図」ではなく「思考の補助線」として捉えています。顧客がどんな心理状態にあり、何を必要としているのかを想像するためのツールとして使うのです。

また、ファネルの各段階を「部署ごとに分担する」発想には注意が必要だと感じています。TOFUはマーケティング部、BOFUは営業部、というように分けてしまうと、顧客体験に一貫性がなくなるリスクがあります。TOFUで伝えていたメッセージと、BOFUで営業が話す内容がズレていたら、顧客は混乱してしまいます。部署を超えて「一人の顧客を送り届けていく」という意識を共有することが、ファネルを機能させるための土台だと考えています。


自社に最適なファネルの作り方・設計手順

ファネルの概念を理解した上で、次は自社のビジネスに合わせたファネルを設計するステップに進みましょう。ここでは、実務で使える基本的な手順をご紹介します。

ステップ1:ペルソナを明確にする

ファネル設計の出発点は、「誰に向けてファネルを設計するのか」を明確にすることです。ペルソナとは、自社のターゲット顧客を具体的な人物像として描いたものです。

年齢、職業、役職、課題、情報収集の方法、意思決定のプロセスなどを詳細に定義することで、各段階でどんなコンテンツが響くのか、どのチャネルでアプローチすべきかが見えてきます。BtoBであれば、「担当者ペルソナ」と「決裁者ペルソナ」を分けて考えることも有効です。

ステップ2:カスタマージャーニーマップを作成する

ペルソナが定まったら、そのペルソナがどのような経路で自社の顧客になるのか、時系列で整理します。これがカスタマージャーニーマップです。

ジャーニーマップでは、顧客の行動だけでなく、各段階での感情や疑問、接触するチャネルなども書き込みます。「この段階で顧客は何を不安に思っているか」「どんな情報があれば次の段階に進めるか」を具体的にイメージすることで、必要なコンテンツや施策が見えてきます。

ステップ3:KPIを設定し、計測の仕組みを作る

ファネルを「絵に描いた餅」で終わらせないためには、各段階のKPIを設定し、継続的に計測する仕組みが不可欠です。

代表的なKPIは「遷移率」です。TOFUからMOFUへ何%が移行しているか、MOFUからBOFUへは何%か、BOFUから購入に至るのは何%か。この遷移率を定点観測することで、どこがボトルネックになっているかが一目で分かります。

計測のためには、Googleアナリティクスなどの解析ツールでコンバージョンポイントを設定したり、MAツール(マーケティングオートメーション)でリードのステージを管理したりする仕組みが必要です。


よくある質問(FAQ)

Q1. BtoBとBtoCでファネルの考え方は変わりますか?

基本的な構造は共通ですが、各段階の長さや施策は異なります。BtoBは検討期間が長く、複数の意思決定者が関与するため、MOFUでの情報提供やリードナーチャリングが特に重要になります。BtoCは相対的に検討期間が短く、感情的な訴求や口コミの影響力が大きい傾向があります。

Q2. ファネルが古いと言われることがありますが、もう使わない方がいいですか?

「ファネルは古い」という意見は、「顧客行動は一方通行ではない」という指摘に基づいています。これは正しい認識ですが、だからといってファネルの概念が無意味になるわけではありません。フライホイールのような循環型モデルを採用しつつ、各段階の施策を考える際にはファネルの枠組みが依然として有効です。両者は対立するものではなく、補完関係にあると考えてください。

Q3. 小規模な会社でもファネル設計は必要ですか?

規模の大小にかかわらず、「顧客がどのように自社を知り、買うに至るのか」を整理することには意味があります。大掛かりな分析ツールを導入しなくても、ホワイトボードに顧客の行動を書き出すだけでも、施策の抜け漏れや優先順位が見えてきます。むしろリソースが限られる小規模な会社こそ、どこに集中すべきかを明確にするためにファネルの視点が役立ちます。

Q4. ファネルの段階ごとに別々のツールを使っていますが、問題ありますか?

ツールが分断されていると、顧客データの連携が取れず、ファネル全体を俯瞰することが難しくなります。可能であれば、MAツールやCRMを中心にデータを統合し、一人の顧客がどの段階にいるのかを一元管理できる環境を整えることをおすすめします。ツールの統合が難しい場合は、定期的にデータを突合してファネル全体のパフォーマンスをレビューする運用でカバーしてください。


まとめ:ファネルは「顧客視点」を持つためのレンズ

マーケティングファネルは、100年近い歴史を持つ古典的な概念でありながら、現代のマーケティングにおいても欠かせないフレームワークです。パーチェスファネルからインフルエンスファネル、ダブルファネル、そしてフルファネルへと進化を続けているのは、それだけ顧客行動が複雑化し、より包括的な視点が求められるようになったからに他なりません。

ファネルを学ぶ最大のメリットは、「顧客の視点に立つ」習慣が身につくことだと私は考えています。自社の都合で施策を考えるのではなく、「この段階の顧客は何を考えているか」「何があれば次に進めるか」と問い続けることで、施策の精度は確実に上がります。

まずは自社の顧客が購入に至るまでの流れを、ホワイトボードや紙に書き出してみてください。そこにTOFU・MOFU・BOFUのラベルを貼り、各段階にどんな施策があるかを棚卸しする。抜けている段階があれば、そこが次に取り組むべきポイントです。

ファネルは、使いこなせば強力な武器になります。本記事が、皆さんのマーケティング活動の一助となれば幸いです。

ブログ一覧へ戻る
AIネイティブ CRM / SFA / MA Google Workspace 統合型で営業を加速