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【完全版】ファネル分析とは?GA4での設定方法から離脱率改善の実践テクニックまで

私がWebマーケティングの現場で10年以上携わってきて、何度も痛感することがあります。それは「集客はできているのに、なぜか売上に繋がらない」という悩みを抱えるサイト運営者が、想像以上に多いということです。

広告費をかけて月間10万人のユーザーを呼び込んでも、実際に購入や問い合わせに至るのがわずか100人程度ということは珍しくありません。これは言い換えれば、99.9%のユーザーがどこかで「離脱」しているということ。まるで穴の空いたバケツに水を注いでいるようなものです。

この「穴」がどこにあるのかを特定し、的確に塞いでいくための手法こそが「ファネル分析」です。本記事では、Webマーケティング担当者が必ず身につけておくべきファネル分析の基礎から、Googleアナリティクス4(GA4)を使った具体的な設定方法、そして実際に離脱率を改善するための実践的なアクションプランまでを、できるだけ噛み砕いてお伝えしていきます。


この記事の要点

ファネル分析とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの各ステップを可視化し、どこで離脱しているかを特定する分析手法です。

GA4の「探索」機能を使えば、専門知識がなくても直感的にファネルを作成でき、デバイス別・流入元別などの切り口で深掘り分析が可能になります。

離脱ポイントを特定したら、ファーストビューの見直し、EFO(入力フォーム最適化)、決済手段の拡充など、段階に応じた具体的な改善施策を実行することでCVR向上が期待できます。


ファネルとは何か?マーケティングにおける「漏斗」の考え方

マーケティングの世界で頻繁に耳にする「ファネル(Funnel)」という言葉。これは日本語で「漏斗(じょうご)」を意味します。理科の実験で液体を細い容器に注ぐときに使う、あの逆三角形の道具をイメージしてください。

Webサイトを訪れた多くのユーザーは、トップページを見て、商品詳細ページに移動し、カートに商品を追加し、決済フォームを入力し、最終的に購入を完了する——という一連のプロセスを経ていきます。しかし、このプロセスを進むにつれて、ユーザーの数は徐々に減っていきます。最終的にゴールまで辿り着くのは、入り口に入ってきた人数のごく一部です。この様子が漏斗の形に似ていることから、マーケティングファネルと呼ばれるようになりました。

なぜ今、ファネル分析がこれほど重要視されるのか

かつてのWebマーケティングでは、「サイト全体の直帰率が高いから改善しよう」「CVR(成約率)が低いから何とかしよう」といった大まかな指標での議論が主流でした。しかし、ユーザーの購買行動が複雑化した現代において、こうした「点」での分析だけでは不十分です。

ユーザーは検索エンジンから来るかもしれないし、SNSから来るかもしれない。スマートフォンで情報収集だけして、後日PCで購入するかもしれない。このように多様化した行動パターンを把握するには、「どの段階で」「どのくらいの割合のユーザーが」「どんな理由で」離脱しているのかを「線」として捉える必要があります。

ファネル分析は、まさにこのボトルネックを特定し、ピンポイントで改善策を打つためのフレームワークなのです。


ファネル分析を導入することで見えてくる3つのこと

ファネル分析を実践することで、サイト運営者は以下のような課題を具体的に可視化できるようになります。

致命的な離脱ポイントの特定

たとえば、あるECサイトで商品ページからカートへの遷移率は80%と非常に高いのに、カートから決済完了までの遷移率が20%しかないとしましょう。この数字を見れば、問題は商品の魅力や価格設定ではなく、決済プロセスのどこかにあると仮説が立てられます。送料が高いのかもしれないし、決済フォームが複雑すぎるのかもしれない。ファネル分析は、漠然とした「調子が悪い」という状態を、具体的な問題箇所に絞り込むことを可能にします。

施策の効果検証が正確にできる

「入力フォームの項目を減らした」「購入ボタンの色を変えた」「送料無料の条件を変更した」——こうした改善施策を実施したとき、その効果をどう測定すればいいでしょうか。サイト全体のCVRだけを見ていると、季節変動や外部要因の影響を受けて正確な判断が難しくなります。しかしファネル分析なら、「カートから決済開始への遷移率が15%から25%に改善した」というように、特定のステップに対する影響を前後比較で正確に把握できます。

ユーザー心理の解像度が格段に高まる

数字の減り方を追うことは、実はユーザーの心理変化を追うことと同じです。ファネルのある地点で急激にユーザー数が落ちているなら、そこには「面倒くさい」「不安だ」「今はやめておこう」という心理的な障壁が存在しています。ファネル分析を通じて、ユーザーがどこでつまずいているのか、どこで迷っているのかが見えてくるのです。


GA4でファネル分析を設定する具体的な手順

概念を理解したところで、実際にGoogleアナリティクス4(GA4)を使ってファネル分析を行う方法を解説していきます。GA4では「データ探索」という機能を使うことで、旧来のユニバーサルアナリティクス(UA)よりも柔軟で詳細なファネルを作成できるようになりました。

探索レポートを作成する

まずGA4の管理画面左側にあるメニューから「探索(Explore)」をクリックします。すると「新しいデータ探索を開始する」というセクションが表示され、いくつかのテンプレートが並んでいます。この中から「ファネルデータ探索(Funnel exploration)」を選択してください。

初めてファネル分析を行う方は、このテンプレートを使うことをおすすめします。基本的な設定が済んでいる状態からスタートできるため、迷うことなく作業を進められます。

ステップ(段階)を定義する

ここがファネル分析の最も重要な設定部分です。「設定」タブの中にある「ステップ」という項目の鉛筆アイコンをクリックすると、ユーザーが辿るべきルートを定義する画面が開きます。

たとえばECサイトであれば、以下のようなステップ構成が一般的です。最初のステップとして「セッション開始(session_start)」でサイトを訪問した全ユーザーを設定し、次に「商品閲覧(view_item)」で特定の商品ページを見たユーザー、続いて「カート追加(add_to_cart)」でカートに商品を入れたユーザー、さらに「決済開始(begin_checkout)」で購入手続きを開始したユーザー、最後に「購入完了(purchase)」で実際に購入を完了したユーザーという流れになります。

各ステップには、GA4が自動的に計測しているイベント名や、特定のページURLを条件として設定できます。設定が完了すると、各段階でのユーザー数と次の段階へ進んだ割合が棒グラフとして表示されます。

セグメントと内訳を活用して深掘りする

全体の数字を眺めているだけでは、本当に価値のある洞察は得られません。ここで活用したいのが「セグメント」や「内訳」の機能です。

「内訳」にデバイスカテゴリ(mobile / desktop)をドラッグアンドドロップしてみてください。すると、ファネルのグラフがスマートフォンユーザーとPCユーザーに分割されます。もし「PCでの購入完了率は高いが、スマートフォンでは決済画面での離脱が激しい」という事実が判明したら、スマートフォン版のUI改善が急務であることがすぐにわかります。

同様に、「参照元/メディア」を内訳に設定すれば、SNS経由のユーザーと自然検索経由のユーザーで、どちらがより深いファネルまで到達しているかを比較できます。つまり「質の高い集客ができているチャネルはどこか」という問いに対する答えが見えてくるのです。

オープンファネルとクローズドファネルの違いを理解する

GA4の設定で重要なポイントの一つが、「ファネルをオープンにする」というオプションです。

デフォルトでは「クローズドファネル」の設定になっています。これは、ステップ1から順番に通過したユーザーのみを計測する方式です。一方、「オープンファネル」をオンにすると、途中のステップから参入したユーザーも計測対象に含まれます。

たとえば、SEOで個別の商品ページに直接流入しているケースが多いサイトでは、トップページを経由しないユーザーが大半かもしれません。このような場合、クローズドファネルだけを見ていると実態とかけ離れたデータになってしまいます。オープンファネルを活用することで、より現実に即した分析が可能になります。


オープンファネルとクローズドファネルの比較

項目オープンファネルクローズドファネル
計測対象途中のステップから参入したユーザーも含むステップ1から順番に通過したユーザーのみ
適したケースSEOで個別ページへの直接流入が多いサイト広告LPからの導線が明確なサイト
メリット実態に近いデータが取得できる理想的な導線の効果を正確に測定できる
デメリットノイズが入りやすい実際のユーザー行動を見落とす可能性がある
推奨される分析目的ユーザー行動の全体像把握特定の導線の最適化

離脱率を改善するための具体的なアクションプラン

ファネル分析で「どこで離脱しているか」が特定できたら、次はその穴を塞ぐフェーズです。ここでは、ファネルの段階別に具体的な改善策をお伝えします。

トップページから商品ページへの遷移が低い場合の対処法

多くのユーザーがトップページだけで帰ってしまう、いわゆる直帰率が高い状態であれば、原因は大きく分けて2つ考えられます。一つは「期待値とのミスマッチ」、もう一つは「導線のわかりにくさ」です。

期待値のミスマッチを解消するには、ファーストビューの見直しが効果的です。ユーザーが求めている情報が、スクロールせずに見える位置に配置されているかを確認してください。また、流入元となった広告や検索キーワードと、ランディングページの内容が整合しているかも重要なチェックポイントです。

導線のわかりにくさについては、ナビゲーションの整理が有効です。商品を探すための検索窓やカテゴリーメニューは使いやすい位置にあるでしょうか。特にスマートフォン表示では、ハンバーガーメニューが目立たないデザインになっていないか確認してみてください。

商品ページからカート追加への遷移が低い場合の対処法

商品には興味を持ったものの、「欲しい」という決断に至らなかった段階です。この場合、情報の不足や心理的な不安要素を取り除く必要があります。

まず情報の網羅性をチェックしましょう。スペックやサイズ、価格だけでなく、使用シーンがイメージできる写真や動画を掲載することで、ユーザーの購買意欲を高められます。

次に社会的証明の提示です。口コミやレビュー、ランキング受賞歴などは、購入を迷っているユーザーの背中を押す強力な要素となります。第三者の声があることで、ユーザーは「この商品を選んで間違いない」という安心感を得られます。

さらにCTA(Call To Action)の改善も重要です。「カートに入れる」ボタンは十分に目立っていますか?スクロールしても常に画面下部にボタンを表示させる「追従ボタン」の実装は、特にスマートフォンでの操作性向上に効果的です。

カートから購入完了への遷移が低い場合の対処法(カゴ落ち問題)

Webマーケティングにおいて最も痛手なのが、この「カゴ落ち」です。買う気満々だったユーザーが直前で諦めてしまうのには、システム的・物理的なストレスが原因であることがほとんどです。

EFO(入力フォーム最適化)は最優先で取り組むべき施策です。住所や名前の入力項目は本当に必要な最小限に絞られていますか?郵便番号からの住所自動入力機能を実装するだけで、離脱率が劇的に改善することは珍しくありません。

会員登録の強制も大きな離脱要因です。購入のために必ず会員登録を求めるサイトは多いですが、「ゲスト購入」を許可するだけでカゴ落ち率を大幅に下げられます。会員登録は購入完了後にオプションとして提案する方が、結果的に登録率も高まる傾向があります。

予期せぬコストの表示にも注意が必要です。決済直前になって高い送料や手数料が表示されると、ユーザーは裏切られた気持ちになり離脱します。送料は早い段階で明示するか、「○○円以上で送料無料」といった閾値をわかりやすく伝えることが大切です。

決済手段の拡充も現代のECサイトでは必須といえます。クレジットカード情報の入力を面倒に感じたり、セキュリティに不安を感じたりするユーザーは少なくありません。Amazon PayやPayPay、各種キャリア決済などのID決済を導入することで、こうした心理的ハードルを大きく下げられます。


私がファネル分析で実感した「数字の裏にあるもの」

ここで少し個人的な経験をお話しさせてください。以前、あるクライアントのECサイトでファネル分析を実施した際、非常に興味深い発見がありました。

そのサイトでは、商品ページからカート追加までの遷移率は業界平均を大きく上回っていました。しかし、カートページでの滞在時間が異常に長く、そこからの離脱率も高かったのです。一見すると「カートページに問題がある」という結論になりそうですが、実際にヒートマップツールで分析してみると、ユーザーはカートページで何度もスクロールを繰り返し、送料の表示部分を探し回っていることがわかりました。

つまり、送料がわかりにくい場所に表示されていたため、ユーザーは「送料がいくらかわからない」という不安を抱えたまま離脱していたのです。送料表示を目立つ位置に移動させただけで、カートからの遷移率は1.4倍に改善しました。

この経験から学んだのは、ファネル分析は「どこで」問題が起きているかを教えてくれるけれど、「なぜ」問題が起きているかまでは教えてくれないということです。数字の変化に気づいたら、ヒートマップやユーザーテストなど、定性的な調査を組み合わせることで初めて本当の原因にたどり着けます。


ファネル分析を行う際の注意点

ファネル分析は非常に強力なツールですが、万能ではありません。数字に振り回されないために、いくつかの注意点を押さえておきましょう。

定量データだけで判断しない

先ほどの送料表示の例でもお伝えしたように、ファネル分析は「どこで」離脱したかは明確に示してくれますが、「なぜ」離脱したかの完全な答えまでは提供してくれません。

特定ページでの滞在時間が極端に短いまま離脱しているなら、「内容がつまらない」「求めていた情報と違う」と推測できます。しかし、滞在時間が長いのに離脱している場合は、「熟読して検討しているが決め手に欠ける」「内容が難解で迷っている」など、複数の可能性が考えられます。

数字の変化に気づいたら、必ず仮説を立て、その仮説を検証するための定性調査を行うことが大切です。

ファネルの形状はビジネスモデルによって異なる

「逆三角形」のファネルはあくまで一般的なモデルであり、すべてのビジネスに当てはまるわけではありません。たとえば、消耗品やサブスクリプションサービスを扱っているなら、一度購入したユーザーが継続して利用する「リテンション(維持)」のフェーズが非常に重要になります。

この場合、ファネルは逆三角形で終わるのではなく、購入後に再び広がる「砂時計型」を意識する必要があります。新規獲得のファネルだけでなく、既存顧客のリピート率を追うファネルも合わせて作成し、LTV(顧客生涯価値)の観点から分析することをおすすめします。


よくある質問(FAQ)

ファネル分析は小規模サイトでも意味がありますか?

結論から言えば、十分に意味があります。むしろ、広告予算が限られている小規模サイトこそ、既存の流入を効率的にコンバージョンに繋げることが重要です。ただし、月間訪問者数が極端に少ない場合(数百人程度)は、統計的に有意なデータを得るのが難しいため、ある程度のデータが蓄積されてから分析を開始することをおすすめします。

GA4のファネル分析でイベントが計測されません。原因は何でしょうか?

最も多い原因は、GA4の推奨イベント(view_item、add_to_cart、purchaseなど)が正しく実装されていないケースです。まず「リアルタイム」レポートで該当イベントが発火しているか確認してください。また、データが反映されるまで最大48時間かかることがあるため、設定直後は少し待ってから確認するとよいでしょう。

オープンファネルとクローズドファネル、どちらを使うべきですか?

分析の目的によって使い分けるのがベストです。広告LPから購入完了までの一連の導線を最適化したい場合はクローズドファネル、サイト全体のユーザー行動を把握したい場合はオープンファネルが適しています。両方のデータを見比べることで、より多角的な洞察が得られます。

ファネル分析の結果をどのくらいの頻度でチェックすべきですか?

大規模な改修を行った直後は毎日チェックして異常がないか確認し、通常運用時は週次でのモニタリングが現実的です。月次でトレンドの変化を確認し、四半期ごとに深掘り分析を行うというサイクルを作ると、継続的な改善につなげやすくなります。


まとめ:ファネル分析は「ユーザーへの思いやり」を数値化したもの

「ファネル分析」や「離脱率改善」という言葉を聞くと、どうしても冷たい数字の操作のように感じられるかもしれません。しかし、その本質は「ユーザーが快適に、迷うことなく目的を達成できるように道筋を整えること」にあります。

どこかでユーザーがつまずいているなら、そこには必ず「わかりにくい」「面倒くさい」「不安だ」という負の感情が存在しています。ファネル分析を通してその感情に気づき、一つひとつ障害を取り除いていくこと。それこそが、結果としてコンバージョン数の最大化、ひいてはビジネスの成長につながる最短ルートです。

難しく考える必要はありません。まずはGA4を開き、自社サイトの現状を「ファネル」として可視化することから始めてみてください。そこに見える数字の変化の裏には、必ず改善のヒントが隠れています。今まで見過ごしていた「宝の山」が、きっと見つかるはずです。

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