CRMに入力されない本当の理由|「営業のサボり」ではなく「項目設計」の問題だった – ファネルAi
イベント お役立ち お知らせ
詳しく知る デモを予約

CRMに入力されない本当の理由|「営業のサボり」ではなく「項目設計」の問題だった

CRM/SFAが入力されない原因は、営業担当者の怠慢ではなく「設計」にあります。特に入力項目の多さが最大の障壁です。本記事では、入力されない理由を「設計」「運用」「文化・評価」の3領域で整理し、必須項目を6〜8個まで絞り込む具体的な手順を解説します。項目を3階層(Tier1〜3)に仕分け、入力タイミングをイベントに紐づけ、「入力しないと案件管理が回らない」構造を作ることで、CRM定着率は劇的に改善します。

「なぜうちの営業はCRMに入力しないんだ」

営業責任者やマネージャーなら、一度は頭を抱えたことがあるのではないでしょうか。導入時にはあれほど期待したSFA/CRM。でも蓋を開けてみれば、入力率は低いまま、パイプラインの数字は信用できず、案件レビューも結局は口頭のやり取りで終わる。

「営業がサボっているからだ」と思いたくなる気持ちは分かります。しかし、多くの場合、入力されない原因は「人」ではなく「設計」にあります。特に、入力項目が多すぎることが最大の障壁になっているケースは非常に多いのです。


入力されないのは「サボり」ではない

現場の営業担当者に話を聞くと、だいたい同じ声が返ってきます。

「入力する時間がない」「何をどこまで書けばいいか分からない」「後でまとめて入れようと思って、そのまま忘れる」

一方、営業責任者側の悩みも深刻です。予測が当たらない。案件レビューが機能しない。失注理由が蓄積されないから改善もできない。CRMを見ても実態が分からないから、結局一人ひとりにヒアリングして回ることになる。

この両者の間には、実は共通の原因があります。CRMが現場の業務フローに合っていないという設計上の問題です。


結論:まず”項目”を疑え

「入力率が低いから、必須項目を増やそう」「入力しない人にはペナルティを」

こうした対策を取りたくなる気持ちは分かります。しかし、これは多くの場合、逆効果です。必須項目を増やすほど、入力のハードルは上がります。ペナルティを設ければ、形だけの入力が増えるだけで、データの質は上がりません。

CRMはデータベースではありません。オペレーションの道具です。営業が案件を前に進めるための仕組みであって、管理者が数字を集めるための箱ではない。この発想の転換ができるかどうかで、CRM定着の成否が決まります。


CRMに入力されない理由10選

入力されない原因を整理すると、大きく「設計」「運用」「文化・評価」の3つの領域に分けられます。

設計の問題

1. 入力項目が多い/必須が多い

これが最大の原因です。「せっかく導入するなら」と、あれもこれもと項目を追加した結果、営業が一つの案件を登録するのに10分以上かかる。移動時間にサッと入力できる設計になっていないのです。

2. 項目の定義が曖昧

「案件の確度」と言われても、何をもってAランクなのかBランクなのか。人によって解釈が違えば、データとしての価値はありません。結局「なんとなく」で入力されるか、入力されないかのどちらかになります。

3. 入力が一度で終わらない

画面遷移が多く、あちこちのタブを開いて入力しなければならない。1案件の登録に5クリック以上かかるようでは、後回しにされて当然です。

運用の問題

4. 入力タイミングが決まっていない

「商談が終わったら入力する」というルールがあっても、具体的にいつまでなのかが曖昧だと、「後でまとめて」が常態化します。後追い入力が前提の運用は、必ず破綻します。

5. 次アクションがCRMに紐づかない

営業の日常業務とCRMが分断されていると、入力するインセンティブがありません。「次に何をすべきか」がCRMを見れば分かる状態になっていなければ、開く理由がないのです。

6. ステージ定義が顧客の前進とズレている

「提案書を送付した」という営業側のアクションではなく、「顧客が社内検討を開始した」という顧客側の状態変化でステージを定義すべきです。営業のアクションベースだと、実態とのズレが生じやすくなります。

7. 会議体がCRMを前提にしていない

週次の営業会議で、CRMの画面を開かずに別のExcelやスライドで報告している。これでは「CRMに入力しなくても会議は回る」というメッセージを発信しているのと同じです。

文化・評価の問題

8. 入力のメリットが現場に返ってこない

入力しても、そのデータが自分の営業活動に役立たない。管理者が見るだけで、営業担当者にとっては「やらされ仕事」でしかない。これでは入力する動機が生まれません。

9. 入力すると詰められる

案件の進捗が芳しくないと、「なぜ進んでいないんだ」と責められる。それなら入力しないほうがマシ──こうした心理が働くと、悪い情報ほど入力されなくなります。

10. データが信用されず誰も見ない

入力率が低い→データが信用されない→誰も見ない→だから入力しない。この悪循環に陥ると、CRMは形骸化します。

この記事では、最大の原因である「項目過多」に焦点を当て、具体的にどう減らすかを解説していきます。


必須項目を減らす”設計手順”

手順A:項目を3階層に仕分ける

まず、現在のCRM項目をすべて棚卸しして、3つのレベルに分類します。

Tier1は、案件を前に進めるために必要な情報です。これがなければ営業活動自体が成り立たないレベル。運用上の必須項目として位置づけます。

Tier2は、予測精度を上げるために必要な情報です。パイプライン管理やフォーキャストのために、マネジメント層が必要とする項目。入力タイミングは提案フェーズ以降でも構いません。

Tier3は、あれば分析に使える情報です。競合情報や失注の詳細理由など、「後からまとめて分析するときに役立つ」レベル。任意項目として、入力できる人だけ入力すればよいものです。

多くの企業では、Tier3レベルの項目まで必須にしてしまっているのが実情です。

手順B:必須は「6〜8項目」まで落とす

B2B商談管理において、本当に必要な必須項目は以下の程度です。

案件名(またはアカウント名)は、どの案件かを識別するための最低限の情報です。ステージは顧客の前進ベースで定義し、案件がどの段階にあるかを示します。金額はレンジでも構いません。正確な見積もりが出る前でも、大まかな規模感が分かれば十分です。決裁予定日(または導入希望時期)は、フォーキャストの精度に直結します。次回アクションと次回日時は、案件を前に進めるための生命線です。関係者は、少なくとも決裁者の有無だけでも把握できていれば第一歩になります。失注理由は、失注時のみ必須とし、選択式のタグで十分です。

「入力されないCRM」を見ると、だいたいこの倍以上の項目を初期から必須にしています。15項目、20項目の必須入力を求めて、「なぜ入力されないのか」と悩んでいる。まずはこの構造を変えなければなりません。

手順C:「いつ入力するか」をイベントに紐づける

項目を減らしたら、次は入力タイミングを明確にします。

初回商談後には、Tier1の項目だけを入力します。3分で終わる設計にすることがポイントです。移動中や商談直後にスマートフォンから入力できるレベルまで絞り込みます。

提案前のタイミングで、決裁者情報や購買プロセスなどTier2の情報を追加します。この段階では顧客との関係も深まっており、より詳細な情報が得られているはずです。

失注時には、理由タグだけを必須とします。自由記述は任意で構いません。「他社に決まった」「予算がなくなった」「時期変更」程度の選択肢があれば、改善材料として十分に活用できます。

手順D:入力させるのではなく”入力しないと進めない”を作る

「入力してください」というお願いベースでは定着しません。入力しないと自分が困るという構造を作ることが重要です。

たとえば、次回予定が登録されていない案件は滞留アラートの対象にする。パイプラインレビューはCRM画面だけで実施し、別資料での報告は受け付けない。こうした仕組みがあれば、入力せざるを得なくなります。

強制ではありますが、ペナルティとは違います。「入力しないと自分の案件管理が回らない」という業務上の必然性を設計するのです。


「項目削減」を成功させる運用ルール

まず2週間だけ”最小項目モード”で試す

いきなり全面的に変更するのではなく、まずは2週間、必須項目を最小限に絞った状態で運用してみてください。例外は許さないことが重要です。「この案件は特殊だから」と例外を認め始めると、元に戻ってしまいます。

2週間後、入力率がどう変わったか、データの質はどうか、現場の負担感はどうかを検証します。多くの場合、入力率は劇的に改善するはずです。

営業会議は「入力されてないものは存在しない」ルールにする

CRMに入力されていない案件は、会議で取り上げない。このルールを徹底するだけで、入力率は上がります。口頭で「実はこういう案件があって」と報告されても、「CRMに入れてから報告してください」と返す。冷たいようですが、これがCRM定着の近道です。

KPIは入力率ではなく衛生KPI

「入力率90%」のような指標は、形だけの入力を増やすだけです。代わりに、パイプラインの健全性を測る指標を追いましょう。

次回予定未登録率は、低いほど良い指標です。次の予定が入っていない案件は、放置される可能性が高いからです。期限切れ案件率は、パイプラインがきちんとメンテナンスされているかを示します。滞留アラート放置率は、アラートが機能しているかどうかの指標になります。

これらの指標を定期的にチェックすることで、CRMが「生きた状態」で維持されます。


まとめ:定着は”入力”ではなく”前進”を設計すること

CRMが入力されない問題は、人の問題に見えて、実は設計の問題です。「営業がサボっている」「意識が低い」と片付けてしまうと、本質的な解決にはたどり着けません。

改善の順序としては、まず項目を削減し、次に会議体を変え、最後に評価の仕組みを整える。この順番が重要です。項目が多いまま会議体だけ変えても、入力の負担が減らなければ定着しません。

最後に、自社のCRMが「入力されない設計」になっていないか、チェックしてみてください。

必須項目が10個以上ある場合は要注意です。商談後24時間以内の入力が前提になっていないなら、運用設計を見直す必要があります。次回予定が入っていない案件が普通に存在しているなら、滞留検知の仕組みがありません。会議でCRMを開かず別資料で報告しているなら、CRMが業務から分離しています。入力しても営業担当者自身が得しない設計なら、入力する動機が存在しません。

一つでも当てはまるなら、「人を変える」前に「設計を変える」ことを検討してみてください。まず削ることから、CRMの定着は始まります。

ブログ一覧へ戻る
AIネイティブ CRM / SFA / MA Google Workspace 統合型で営業を加速