ルート営業向けCRMの選び方:訪問計画・顧客ランク・履歴を一元化して”放置”をなくす – ファネルAi
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ルート営業向けCRMの選び方:訪問計画・顧客ランク・履歴を一元化して”放置”をなくす

1. ルート営業には「案件管理型」ではなく「訪問管理型」のCRMが必要。地図連携と訪問周期アラートが生命線。

2. 機能の多さよりも「現場の動線」に馴染むかが最重要。スマホで30秒以内に報告完了できるかがカギ。

3. 顧客ランクと訪問周期を事前に定義し、システムに「放置アラート」を設定することで、人の記憶に頼らない仕組みを作る。

「半年以上も訪問していない顧客がいることに、つい先日気づいた」「移動時間ばかりが長くなって、肝心の商談時間が確保できない」「せっかくSFAを導入したのに、誰も使っていない」——ルート営業の現場では、こうした悩みが後を絶ちません。私自身、以前に営業組織の支援に携わっていた際、まさにこの問題と向き合ってきました。高機能なシステムを入れれば解決するだろうと思いきや、現場はまったく使いこなせず、結局エクセルと手帳に逆戻り。そんな光景を何度も見てきたからこそ、今回は「本当に現場で使えるCRMとは何か」という視点で、選び方の極意をお伝えしたいと思います。


そもそも「ルート営業」に一般的なCRMが合わない理由

世の中には数多くのCRMやSFAが存在しますが、その多くは「新規開拓型」の営業を想定して設計されています。つまり、見込み客をリード化し、商談を進め、受注に至るまでの「パイプライン管理」に最適化されているのです。これは、いわゆる「ハンター型」の営業スタイルには非常にフィットします。ファネルの各段階で見込み客がどれだけいるのか、今月の受注見込み金額はいくらか、といった情報を可視化できるからです。

しかし、ルート営業はまったく異なる世界です。ルート営業のゴールは「受注」ではなく「関係維持」であり、「リピート発注」「アップセル」「競合への流出防止」といった長期的な視点が求められます。そのため、管理すべき対象も「案件の進捗」ではなく「訪問頻度」「最終訪問日からの経過日数」「顧客ごとの重要度ランク」といった、まったく別の軸になるのです。

ここを理解せずに、有名だからという理由で大手CRMを導入してしまうと、悲劇が起こります。現場の営業担当者からすれば、自分たちの仕事のやり方とシステムの思想がまったく噛み合わないわけですから、使う気が起きないのも無理はありません。結果として、高額なライセンス費用を払いながら、システムは「高機能な日報入力ボックス」に成り下がってしまうのです。


選び方の核は「機能」ではなく「現場の動線」

CRMを選定する際、多くの企業担当者がやりがちなのが、機能比較表を作成して○×を付けていく作業です。「地図機能はあるか」「モバイル対応しているか」「カスタマイズ性はどうか」といった項目を並べ、該当するかしないかでスコアリングしていく。一見すると合理的なアプローチに見えますが、私はこの方法には限界があると考えています。

なぜなら、機能が「ある」ことと、その機能が「使いやすい」ことは、まったく別の話だからです。たとえば、地図機能を持っているCRMは山ほどありますが、その地図上で「最終訪問から30日以上経過している顧客」をワンタップで絞り込めるものは限られています。モバイル対応を謳っていても、PC画面をそのままスマホに縮小表示しただけの、お世辞にも使いやすいとは言えないものも少なくありません。

本当に重視すべきは、「現場の営業担当者が、スマホ片手に行う一連の動作に、そのツールがどれだけ自然に馴染むか」という点です。具体的には、以下の3つの動線がスムーズに設計されているかどうかを基準にしてください。


動線1:訪問計画——地図とリストの往復がないか

ルート営業の1日は、「今日どこに行くか」を決めることから始まります。この訪問計画の段階で、すでにつまずいている組織は非常に多いのが実情です。顧客リストをエクセルで開き、住所をコピーしてGoogleマップに貼り付け、ルートを確認する。この作業を毎朝繰り返しているようでは、それだけで貴重な時間が溶けていきます。

理想的なCRMでは、システムにログインした瞬間に地図画面が表示され、担当顧客がピンとして立っています。しかも、そのピンの色が顧客の状態を示しているのです。たとえば、最終訪問から2週間以内なら青、1ヶ月以上空いていれば黄色、3ヶ月以上なら赤、といった具合です。営業担当者は地図を眺めるだけで、「あ、この辺りに赤いピンが集中しているから、今日はこのエリアを重点的に回ろう」と瞬時に判断できます。そして、ピンをいくつかタップするだけで、その日の訪問スケジュールが自動生成される。これが、あるべき姿です。

地理的な条件と顧客ステータスを同一画面で判断できるUIを持っていること。これは、ルート営業向けCRMにおける絶対条件だと私は考えています。


動線2:現場活動——駐車場で30秒以内に完結するか

外回りの営業担当者は、とにかく忙しい。移動中も電話対応があり、商談では神経を使い、1日に何件もの訪問をこなさなければなりません。そんな中で、帰社してからPCを開いて日報を書く、というスタイルは現実的ではありません。残業時間が増えるだけでなく、時間が経つほど記憶が曖昧になり、報告内容の精度も落ちていきます。

ここで求められるのが、「スマホファースト」のアプローチです。訪問が終わったら、その場で、客先の駐車場に停めた車の中で、スマホを取り出して報告を完了させる。この流れが自然にできるかどうかが、CRM定着の分かれ道です。

優れたツールでは、GPSによって現在地が自動検知され、「今いる場所の顧客」の報告画面がワンタップで開きます。報告内容も、自由記述ではなく選択式のチェックボックスや、音声入力で完結できる設計になっています。入力にかかる時間は、理想的には30秒以内。これくらいの手軽さがなければ、現場は使い続けてくれません。

PC画面を無理やりスマホに表示させただけの「なんちゃってモバイル対応」ではなく、ネイティブアプリとしてサクサク動くかどうか。ここは妥協してはいけないポイントです。


動線3:次回予定——その場で未来が確定するか

ルート営業において、最も恐ろしいのが「訪問の空白」、いわゆる放置です。お客様との関係は、定期的な接点があってこそ維持されます。半年も訪問しなければ、その間に競合他社が入り込んでいてもおかしくありません。しかし、人間の記憶には限界があります。担当顧客が50社、100社と増えていけば、「そういえば、あの会社にしばらく行っていないな」という抜け漏れは必ず発生します。

これを防ぐ唯一の方法は、「報告と同時に、次回の訪問予定を決める」という運用を仕組み化することです。日報入力画面の最後に「次回訪問予定日」の項目があり、これを入力しないと報告が完了しない設計になっている。あるいは、顧客ランクに基づいてシステムが自動で次回予定を仮押さえしてくれる。こうした機能があれば、営業担当者の記憶に頼ることなく、確実に次のアポイントメントを担保できます。

「記憶」ではなく「仕組み」で次回を押さえる。これこそが、ルート営業向けCRMの真骨頂と言えるでしょう。


顧客ランクと訪問周期:放置をなくす自動化の設計

CRMを導入する前に、社内で必ず決めておくべきルールがあります。それが「顧客ランク」と「訪問周期」の定義です。どんなに優れたツールを入れても、この基準が曖昧なままでは効果を発揮しません。逆に言えば、この定義さえしっかりしていれば、ツールは強力な味方になってくれます。

顧客ランクの考え方は、取引額や拡大余地、戦略的重要性などを軸に設定するのが一般的です。たとえば、Sランクは取引額が大きく、さらなる拡大余地もある最重要顧客。週に1回は顔を出したい。Aランクは安定した定常取引がある重要顧客で、月に1回は訪問する。Bランクは取引額は小さいものの関係は維持したい顧客で、3ヶ月に1回の訪問または電話でフォローする。こうした定義を全社で共有し、CRMに設定するのです。

この設定がなされていれば、システムによる「放置アラート」が機能します。最終訪問日から規定の日数が経過すると、地図上のピンの色が変化したり、「Sランクの〇〇商事様への訪問が2週間空いています」といったプッシュ通知が担当者のスマホに届いたりするわけです。人間は忘れる生き物ですが、システムは忘れません。担当者が考えなくても、システムが「次に行くべき場所」を教えてくれる。この状態を作ることが、ルート営業DXの本質的なゴールです。


タイプ別ツール比較:自社に合った選択をするために

市場には多くのCRM・SFAが存在しますが、ルート営業の視点で大別すると、以下の3タイプに分類できます。それぞれの特徴と、どのような組織に向いているかを整理しました。

タイプ代表的なツール主な強み向いている組織
地図・ルート最適化特化型UPWARD、cyzenなどGPSと地図機能が強力。位置情報による自動記録、近隣顧客検索が得意訪問件数を増やしたい、土地勘のない若手が多い、日報入力を極限まで簡略化したい
統合型CRM/SFASalesforce、kintoneなど顧客管理から案件管理、請求管理まで幅広く対応。拡張性が高いルート営業以外の部門とも連携したい、基幹システムとのデータ連携が必要
シンプル日報・スケジュール型各種軽量ツールカレンダーと顧客DBが連動したシンプルな作り。導入コストが低い少人数チームでまずは脱エクセルしたい、多機能すぎると使いこなせない

地図・ルート最適化特化型は、ルート営業に特化して開発されているため、現場との親和性が非常に高いのが特徴です。GPSによる活動履歴の自動記録や、現在地周辺の顧客を瞬時に検索できる機能など、外回り営業の痒いところに手が届く設計になっています。一方で、マーケティングオートメーションや複雑なワークフローといった機能は限定的な場合が多いため、営業部門単独での利用に向いています。

統合型CRM/SFAは、全社的なプラットフォームとして導入するケースに適しています。Salesforceであれば、AppExchangeから地図連携のプラグインを追加することでルート営業向けの機能を補完できますし、kintoneであればカスタマイズによって自社の業務フローに合わせた画面を構築できます。ただし、こうしたカスタマイズには追加コストと時間がかかる点は考慮が必要です。

シンプル日報・スケジュール型は、まだデジタル化が進んでいない組織や、少人数のチームにおすすめです。いきなり高機能なツールを入れると、かえって現場が混乱することもあります。まずはシンプルなツールで「デジタルで情報を共有する」という文化を根付かせ、その後により高度なツールへステップアップしていくアプローチも有効です。


私がルート営業CRMに求める「譲れないポイント」

ここまで一般論をお伝えしてきましたが、私自身がルート営業組織を支援してきた経験から、特に重視しているポイントをいくつか挙げておきます。あくまで私個人の見解ですが、参考にしていただければ幸いです。

まず、「オフライン対応」の有無です。ルート営業では、電波の入りにくいビルの地下や、山間部の工場などを訪問することも珍しくありません。そうした場所でアプリが動かなくなるようでは、使い物になりません。オフライン状態でも入力ができ、電波が復旧したタイミングで自動同期される機能は、私にとっては必須要件です。

次に、「入力項目のカスタマイズ性」です。業界や商材によって、訪問時に確認すべき情報は異なります。飲食店向けの卸営業であれば「冷蔵庫の在庫状況」を記録したいかもしれませんし、機械メーカーであれば「設備の稼働状況」をヒアリングしたいかもしれません。こうした業界固有の項目を、ノーコードで追加できる柔軟性があると、現場にフィットした運用が実現しやすくなります。

そして、「レポート・ダッシュボード機能」も見逃せません。現場の担当者にとっては入力のしやすさが重要ですが、マネージャーや経営層にとっては、チーム全体の訪問状況を俯瞰できることが重要です。「誰がどの顧客に、どれくらいの頻度で訪問しているか」「放置されている顧客は何社あるか」といった情報が、ダッシュボードで一目でわかる。こうした可視化機能があれば、属人的だった営業活動を組織的にマネジメントできるようになります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 既存のエクセル管理から移行する際、データ移行は大変ですか?

多くのCRMはCSVインポート機能を備えているため、エクセルで管理していた顧客データの移行自体はそれほど難しくありません。ただし、データの「クレンジング」は必要です。重複データの削除、住所表記の統一、担当者の紐付けといった前処理をしっかり行うことで、移行後の運用がスムーズになります。ツールによっては、移行支援サービスを提供しているベンダーもありますので、不安な場合は相談してみてください。

Q2. 営業担当者がツールを使ってくれるか不安です。定着させるコツはありますか?

最も重要なのは、導入前に「現場の声を聞く」ことです。トップダウンで押し付けられたツールは、どんなに優れていても抵抗されます。無料トライアルの段階で、実際に外回りをしている営業担当者に触ってもらい、フィードバックを集めてください。「これなら使えそう」という納得感があれば、定着率は格段に上がります。また、導入初期は入力項目を最小限に絞り、慣れてきたら徐々に増やしていくアプローチも有効です。

Q3. 小規模なチームでも導入する意味はありますか?

むしろ、小規模なチームこそ効果を実感しやすいと言えます。大企業であれば、担当者が退職しても引き継ぎの仕組みが整っていることが多いですが、少人数の組織では、一人の担当者の頭の中にすべての顧客情報が入っている、という状況も珍しくありません。その担当者が急に辞めてしまったら、顧客との関係性がリセットされてしまうリスクがあります。CRMに情報を蓄積しておくことは、組織としてのリスクヘッジにもなるのです。

Q4. 導入コストはどれくらいかかりますか?

ツールによって大きく異なりますが、クラウド型のサービスであれば、1ユーザーあたり月額数千円から利用できるものも多くあります。初期費用が無料のプランも増えていますので、まずは小規模にスタートし、効果を確認しながら展開を広げていくアプローチがおすすめです。一方で、大企業向けの統合型CRMをフルカスタマイズで導入する場合は、数百万円から数千万円規模のプロジェクトになることもあります。自社の規模と目的に合った選択をすることが大切です。


まとめ:ツール導入は「営業の断捨離」である

ルート営業向けCRMの導入は、単に新しいソフトウェアを入れることではありません。これまで営業担当者の頭の中にあった「勘」や「経験」、カバンの中に詰め込まれていた「紙の地図」や「手帳」を断捨離し、組織の資産としてデジタル化する作業です。

選び方の結論として、私は以下の2つの問いをベンダーに投げかけることをおすすめしています。「このツールを使えば、うちの営業は訪問計画と日報にかける時間を何分短縮できますか?」「3ヶ月訪問していない顧客を、朝の1分で見つけ出すことができますか?」この問いに対して、明確なデモンストレーションで答えてくれるツールこそが、あなたの会社の営業現場を変えるパートナーになるはずです。

まずは顧客ランクを定義し、無料トライアルでスマホでの操作感を現場のメンバーと一緒に試すことから始めてみてください。それが、放置顧客ゼロ、売上アップへの最短ルートです。

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